月別アーカイブ: 2016年5月

サンフランシスコ市の100%再生可能エネルギー化計画

出典:San Francisco Mayor’s Renewable Energy Task Force Recommendations Report    September 2012
http://sfenvironment.org/download/san-francisco-mayors-renewable-energy-task-force-recommendations-report

サンフランシスコ(SF)市は、2010年時点で電力の41%が再生可能エネルギー由来のもので、これを2020年までには100%にすると宣言した。その計画の概要を以下に示している。
1,2010年時点の電力供給ミクス
市の電力需用者は、電力を表1に示すように、3種の方法で取得している。
・市が窓口となって地元電力会社Pacific Gas and Electric社(PG&E)から購入(電力量は
最も多い)
・市が運営するSan Francisco Public Utilities Commission’s(SFPUC)が供給
・Direct Access

再生可能エネルギーによる電力量比率は40%で、その中で大規模水力が28%を占めている。その他の再生可能エネルギーはバイオ・地熱・風力・小水力の4種で、計12%程度となっている。

<表1,サンフランシスコ市の2010年電力供給ミクス>
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2,100%再生可能エネルギー化の見込み
少なくとも2010年の電力需要量を、全て再生可能エネルギーから満たそうとすると、表2にあるように、10年間で新たに3TWh(3,000GWh)/yr程の再生可能エネルギー由来の電力量を捻出しなければならない。
市内資源による1.7TWh(1,700GWh)/yr程は達成可能の見込みはあるであろうが、残りは洋上資源であるところの波力と風力が問題となる。とくに波力については挑戦的課題と思われる。

<表2: 全再生可能エネルギー発電の可能性>

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100%自然エネルギーの独”シェーナウ電力会社”の概要

出典:greenz.jp編集長・鈴木菜央氏による記事 2016.03.31
http://greenz.jp/2016/03/31/ews/
東京新聞夕刊 2016.05.23

1,事業形態
1)100%自然エネルギーの電力をドイツ全土16万人に販売する会社。
2)共同組合として運営。約4,500人の市民が株式を保有。
3)事業は3分野に分かれている。
・自然エネルギー(水力・太陽光・風力)を使った発電。ほとんどがノルウェーの水力発電による。
・配電網の運営ー配電網は9つあり、いずれも電力会社KWRから買い取った*1もの。
・電気の販売
4)従業員は106人

*1)最初に電力網を買い取った時は、5億円以上の資金を要した。
大々的な寄付のキャンペーンを行い、脱原発運動に関わる人々含め、ドイツ全土、 さらにはヨーロッパ中の多くの人がシェーナウの考えを支持してくれ、数週間のうちに 購入資金を集めることができた。

2,事業支援の仕組み
1)”Sun Cents”プログラム
顧客が支払う電気の基本料金のうち、0.5〜2.0ユーロセントが当てられる。
2)顧客の活動に対する支援
顧客はこのプログラムを使って、太陽光パネルを設置したり、仲間と共同で幼稚園や学校に熱電併給(コジェネ)プラントを設置するといったことができる。
設備を導入した人は、政府の20年間の買取価格に加えて、約5年の間プログラムによる支援金を受け取ることができる。
3)これまでの実績
太陽光発電、熱電併給、水力発電など、Sun Centsプログラムによって、これまでに2,800以上もの発電所がドイツ中に誕生している。いずれも小規模だが、合わせると23MWにものぼる。
地方自治体が配電網を買い戻す*2ことも支援しているが、電力会社が手放したがらないので難しい状況だ。

*2)1970〜1980年代には多くの自治体が配電網を運営する権利を持っていたが、1998年の電力市場の自由化でほとんどが私企業に渡ってしまった。

3,今後の課題
1)国内地域からの電力購入増加
”直接市場モデル”を適用する。発電オーナーの株式の一部を所有するか、その電力を直接購入する。
2)電力網の変革
小規模の自然エネルギーの発電所でつくられた電気を受け入れるために、電力網を変革する必要がある。地方自治体や市民協同組合は配電網を運営する強みを持っているので、古い独占企業に対して電力料金支払いで対処する。