月別アーカイブ: 2016年10月

EPFL*から創業の一社が、効率2倍の住宅用ソーラーパネルを作る

* Swiss Federal Institute of Technology in Lausanne:スイス連邦工科大学ローザンヌ校

出典:http://actu.epfl.ch/news/an-epfl-startup-makes-residential-solar-panels-twi/

07.09.16 – 創業仕立てのInsolite(インソライト)社によって開発された36%の収率の太陽電池パネルは、従来のパネルの二倍までのエネルギーを配することができる。同社は、非常に高性能の太陽電池の小面積に太陽光線を当てる薄構造を思い付いた。結果は極めて効率的な平面型太陽光発電システムとなったのである。
——————————
 同じ表面積で二倍の電力:これこそがインソライト社製太陽電池パネルの特徴なのだ。EPFLイノベーションパークを本拠とする会社は、わずか約18-20%の性能でしかない現行市場品に対し、収率(=受光エネルギーから生産される電力量)36.4%のプロトタイプを開発した。世界記録と言ってよいこれらの結果は、ドイツに本拠を置く独立したラボであるフラウンホーファー研究所によってプロトタイプが検証されている。

すべての太陽光線をスーパーセルに焦点合わせる
 彼らはどのようにしてこのような高収率に達したのか?
プラスチックから作られた透明平坦かつ非常に薄い光学系が、極めて高性能なセルの微小表面積部分に太陽光線を当てる。42%の収率を誇るこれらのセルは、異なる波長の光線を捕捉するように特別に設計された多数の層で構成されている。これらを製造するのは高価であるため、こうしたスーパーセルは現時点では宇宙のような特定の分野でのみ使用されている。

 それで、創業者達は他の方策を採った。すなわち、太陽電池パネル自体の収率を高める
ことに取り組む代わりに、同社は光の波をスーパーセルの微小セグメント(サイズは数平方mm程度)に集中させるレンズを使う。「それはシャワーのようなものだ:すべての水は一つの小さなドレインを下降するのであって、シャワーのフロア全体をカバーするドレインの必要はない。」創業社のCEOであるローラン・クーロットは言う。

 イノベーションの核心は、入射角のいかんに拘わらず太陽光線を100%捕捉することにあり、創業者により特許化されたマイクロ追跡システムにある。射出成形された透明板は、拡大鏡の小規模なネットワークとして機能するミリ単位の大きさのレンズの配列として装備されている。これは金属フレームによって、一日の間に数mm移動される。太陽の位置をセンサーとして、リアルタイムで検出するように行われる、このわずかな動きが収率を最大化する。同社は、有望な新興企業に与えられるEPFLのイノベーション賞の一つとして、応用フォトニクスデバイス研究室で、その革新技術を開発した。
 システムはわずかなスペースを取るだけなので、どのような太陽電池パネルにも導入できる。クリストフ・モーザは太陽光を用いて水素を生成するプロジェクトのための太陽光集光器を開発していたので、彼の研究室の中にチームのために場所を設け、重要な専門知識を提供した。モーザによると、インソライト社のモジュールは、その分野ではかなり関心を持たれていたようだ。

太陽光エネルギーをもっと競争力あるようにする
 同様のシステムは世界中のいくつかの研究室で開発されたが、EPFLの新興企業はほぼ
市場準備ができていた程に、システムを迅速に製造する早業で成功させた。「すべてのコンポーネントを容易に大量生産する、ことが最初から設計された。」とマチュー・アッカーマン同社CTOは述べている。

 創業社の三人の創設者は全員、操業開始する前は業界で働いていたEPFL卒業生だ。彼らは自分の会社を設立する前に、空き時間に自分達のアイデアを温めることから始めた。
「私たちの目標、すなわち、急速に競争力のある価格で市場に投入することができる太陽電池パネルを開発すること、に到達するために必要なものを、業界で働くことで得ることができた。」

 創設者達は、彼らの太陽電池パネルが消費者が支払うkWh当たりの価格を下げるだろうと確信している。システム購入費は、おそらくもう少し高価になるだろう。「しかし、これはすぐに生成される追加のエネルギーによって相殺されるであろう。」とフロリアン・ゲルリヒCOOは述べている。「ソーラーパネルの価格は近年急激に低下したが、競争力のあるコストで電気を生成することは十分なされていない。」と彼は言う。「住宅用システムでは、太陽電池パネルは2015年に米国の総設置費用の20%未満であった。たとえ太陽電池パネルは無料であったとしても、これは常にシステムのコストを相殺しない。現在、太陽エネルギーの開発者が獲得した利益のほとんどは、補助金から来ている。しかしこれらの補助金は減少している。」

 設置の効率性とし易さを組み合わわせることで、創業者は、化石エネルギーに対して競争力のある太陽光発電システムを作ることによって、困難を振り払うことを願っている。
「インソライト社は非常に革新的なシステムを設計しており、これらの初期のプロトタイプは外部評価で印象的な収率を示した。」クリストフ・バリフ、EPFL太陽光発電研究所のディレクターは述べている。「彼らは今、商用サイズのシステムがどれくらいの性能を示すのか、そして製品の経済的ポテンシャルを証明するのか、彼らの概念の限界をテストする必要がある。」