再生可能エネルギーが世界の電力容量の3分の1を占める

出典:
02 April 2019| Press Release by IRENA(International Renewable Energy Agency)
https://www.irena.org/newsroom/pressreleases/2019/Apr/Renewable-Energy-Now-Accounts-for-a-Third-of-Global-Power-Capacity

セクターは2018年の発電容量に171GW分を加える
Abu Dhabi, United Arab Emirates, 2 April 2019 –
  IRENAが本日発表した新しいデータによると、再生可能エネルギー容量の力強い成長という10年間にわたる傾向は2018年も続き、世界で171GW(ギガワット)が 追加された。年間7.9%の増加は、太陽光および風力エネルギーからの新たな追加によるもので、これは成長の84%を占めた。世界の電力容量の3分の1は、現在再生可能エネルギーに基づいている。

 再生可能エネルギー容量に関する最も包括的で最新かつ入手し易いデータである IRENAの年間再生可能容量統計2019*は、速度は異なるものの、世界のすべての地域で成長を示している。アジアは全再生可能エネルギー設備の61%を占め、再生可能エネルギー容量は11.4%増加したのに対し、オセアニアは最も早いペースで2018年に17.7%増加した。アフリカの8.4%の成長は、アジアのすぐ後の3位になった。2018年に追加されたすべての新規発電容量のほぼ3分の2は、新興国および発展途上国が主導する再生可能エネルギーによるものであった。

* https://www.irena.org/publications/2019/Mar/Capacity-Statistics-2019

 IRENAのAdnan Z. Amin事務局長によると、「魅力的なビジネスケースを通して、再生可能エネルギーは新しい発電容量に最適なテクノロジとしての地位を確立した。2018年の力強い成長は過去5年間の著しい傾向を継続しており、これは世界的なエネルギー転換の推進力として再生可能エネルギーへの継続的なシフトを反映している。
 しかし、我々が地球規模の気候目標と持続可能な開発目標を確実に達成できる
ようにするには、再生可能エネルギーの普及をさらに早急に進める必要がある。再生可能エネルギーの可能性を最大限に活用している国は、自国の経済を脱炭素化することに加えて、多くの社会経済的恩恵を受けるだろう。」

 IRENAの分析では、再生可能エネルギーと非再生可能エネルギー(主に化石燃料と原子力)の発電容量の増加も比較された。2010年以降、ヨーロッパ、北米、オセアニアでは非再生可能エネルギーの発電容量が約85GW減少しているが、アジアと中東の両方で同じ期間に増加している。2000年以降、非再生可能な発電容量は、年間平均115GW(平均)増加しているが、それ以上の傾向は見られない。

技術によるハイライト:
水力エネルギー:2018年も水力発電の伸びは鈍化し続け、2018年には中国だけがかなりの量の新容量を追加した(+8.5GW)。
風力エネルギー: 2018年に世界の風力エネルギー容量は49GW増加した。中国と米国は、風力エネルギー拡大の最大のシェアを占め続け、それぞれ20GWと7GWの増加であった。1GW以上拡大している他の国々はフランス、ドイツ、インド、イギリスであった。
バイオエネルギー: 2018年の比較的低いレベルのバイオエネルギー生産能力拡大のうち、3カ国が半分以上を占めた。中国は2GW、インドは700MW増加した。英国でも容量は900MW増加した。
太陽光エネルギー: 太陽エネルギー容量は昨年94GW増加した(+24%)。アジアは、64GWの増加(2018年の世界規模の拡大の約70%)で、世界的な成長を支配し続けた。昨年の傾向を維持しながら、中国、インド、日本、韓国がこの大部分を占めた。その他の主な増加は、米国(+8.4GW)、オーストラリア(+3.8GW)、ドイツ(+3.6GW)であった。2018年に大幅に拡大した他の国々は、エジプト、パキスタン、メキシコ、トルコ、オランダであった。
地熱エネルギー: 地熱エネルギーは2018年に539MW増加し、その拡大の大部分はトルコ(+219MW)とインドネシア(+137MW)で行われ、続いてアメリカ、メキシコ、そしてニュージーランドで行われた。

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 世界全体では、再生可能エネルギーの総発電容量は、昨年末に2,351GWに達した。これは、総設置電力容量の約3分の1となる。水力発電は1,172GWの設備容量で、全体の約半分と最大のシェアを占めている。残りの大部分は風力と太陽
エネルギーが占めており、それぞれ564GWと480GWの容量がある。その他の再生可能エネルギーには、121GWのバイオエネルギー、13GWの地熱エネルギー、および500MWの海洋エネルギー(潮力、波力および海洋エネルギー)が含まれている。

 全報告書はこちら*、概要はこちら**のサイトに記されている。

*https://www.irena.org/publications/2019/Mar/Capacity-Statistics-2019
** https://www.irena.org/-/media/Files/IRENA/Agency/Publication2019/Mar
/RE_capacity_highlights_2019.pdf?la=en&hash=BA9D38354390B001DC0CC9BE03EEE559C280013F&hash=BA9D38354390B001DC0CC9BE03EEE559C280013F

                              以上

全固体電池開発の現状

 地球温暖化対策の観点から、エネルギー源として化石燃料を使うのは 避けるべきであるとの見解は世界的に認識されつつある。

 自動車業界では電気自動車が注目され、リチウムイオン電池を燃料源とする動きが活発化している。ガソリン車に比べると、価格や性能面 (走行距離や充電時間)において未だ不十分な点があるが、何と言っても 環境に優しい乗り物としては画期的である。

 自動車用リチウムイオン電池は、最新の”日産リーフ”車の場合、正極 材料としてニッケル、マンガン、コバルトの三元系の層状構造材*¹ を、 負極材料は不明であるが特殊カーボンを、そして電解液は有機溶媒を使用 していると推定される。*²

*1:日産自動車株式会社HP
https://www.nissan-global.com/JP/TECHNOLOGY/OVERVIEW/li_ion_ev.html
*2:パナソニック社HP
https://industrial.panasonic.com/cdbs/www-data/pdf/ACA4000/ACA4000PJ3.pdf

 現状のリチウムイオン電池は、有機溶媒を有するのが必須条件であって、そのため安全性や性能限界、あるいは電池構造の肥大化や過重化といった 問題を抱えている。

 この問題を解決するには、有機溶媒を使わない、”全固体電池”を開発する必要があるとされる。すなわち、電池構造が全てセラミック系となる必要があるとの見解である。*³

*3:「全固体電池最前線~究極の蓄電デバイスを求める東工大研究者たちの道のり」
    DG Lab Haus 2019年2月20日
    https://media.dglab.com/2019/02/19-battery-01/

全固体電池研究の流れ

 全固体電池を開発するには、大きな課題が2つある。*⁴
①室温で、リチウムイオン電池の電解液並みの高いイオン伝導率を示す固体電解質を開発すること。
②電極と固体電解質との界面の抵抗を低減すること。

*4:「実用化に近い次世代蓄電池”全固体電池”」
    サイテック・コミュニケーションズ 山田久美
    化学と工業│Vol.70-9 September 2017
    http://m-dimension.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2018/03/
    fe860425ac03aa555078da54ff2e910c.pdf

 ①の課題については、リチウムイオン電池に使われている電解液のイオン伝導率は、10-2S/cm(S;ジーメンス)程度で、なおかつ、これはリチウムイオンと電池動作に関与しない陰イオンを合算した値なのだ。
 固体電解質ならば、移動するのはリチウムイオンのみなので、リチウムイオン電池と同等の出力性能を実現するには、その電解液よりも低い 10-3S/cmのイオン伝導率を示す固体電解質を開発できればよいことになる。

 1980 年代から1990 年代には、目標とするイオン伝導率を示す硫化物と 酸化物が発見され始めた。これは、当時、松下電器産業社で、約30年間にわたり固体電解質の研究開発に取り組んできた現・物質材料研究機構エネルギー環境材料研究拠点副拠点長・高田和典氏や,1992 年から高田氏と共同研究を進めてきた大阪府立大学大学院工学研究科の辰巳砂昌弘教授らの功績によるところが 大きい。

 辰巳砂教授は、”メカノケミストリー”*⁵ に基づく製造方法により、10-3S/cm
というイオン伝導率を示すガラス系硫化物をつくっている。

*5;固体物質に摩砕、摩擦延伸、圧縮などの機械的エネルギーを加えることによって引きおこされる相転移や構造、反応性、吸着性、触媒活性などの変化をいう。その1 つの方法として,辰巳砂教授はボールミル処理を採用した。

 一方、結晶系硫化物でイオン伝導率の高い物質を探索していたのが,無機結晶の “超イオン伝導体”⁶ を30年以上にわたり研究してきた東京工業大学物質理工学院の 菅野了次教授である。菅野教授は”固相反応法”によって、様々な組成の結晶 づくりを試す中、2000年に、10-3S/cmのイオン伝導率を示す結晶系硫化物 “thio-LISICON(チオリシコン)”(資料4の図4参照)を見い出した。さらに2011年には、電解液に匹敵する1.2×10-2S/cmのイオン伝導率をもつ
“Li 10 GeP 2 S 12 “(以下、LGPS)を開発した。

*6;見かけは固体であるにもかかわらず,その中をイオンが高速で移動し,溶融塩や電解質溶液と同程度のイオン伝導率を示す物質の総称。

 しかし、これらの硫化物を使って全固体電池をつくってみたところ、どれも十分な出力性能が得られなかった。その要因は,解決すべき課題②に挙げたように、電極と固体電解質との界面で高い抵抗が発生していたからだ。全固体電池で高い出力性能を実現するには、固体電解質内だけでなく、電極と固体電解質との界面でも高いイオン伝導率を実現しなければならないのだ。

 そこで、辰巳砂教授はガラス系硫化物をベースにした研究で、電極に固体電解質の粒子を添加し加圧焼結することにより、固体電解質を緻密化する方法や、電極活物質粒子の表面に固体電解質をコーティングする方法などを編み出した。
 それに対して、高田氏は、正極と固体電解質の間に、硫化物よりもリチウムイオンを束縛する力が強いチタン酸リチウムの薄膜を”緩衝層”として挿入する方法を考え出した。その結果、全固体電池の出力密度は2桁も向上し、既存のリチウムイオン電池を上回った。

リチウムイオン電池の3倍以上の出力性能を実現

 2016年3月に世界中が注目する大きな進展があった。NEDO の助成事業として全固体電池の研究開発を進めていた菅野教授とトヨタ自動車の加藤祐樹氏の研究グループが、従来の2倍という世界最高のリチウムイオン伝導率を示す超イオン伝導体を発見し、さらにそれを使って全固体電池を開発したところ、リチウム
イオン電池の3倍以上の出力密度が得られたと発表した。この発表を機に、日欧米を中心に世界各国で全固体電池の研究開発競争が激化している。

 この2種類の超イオン伝導体を、J-PARC にある材料構造解析装置iMATERIAで
調べた結果が、資料*4の図5に示されているので参照されたい。イオンの経路が
3次元に広がっているのが明示されている。その経路をリチウムイオンがびっしりと埋め尽くしているので、高いイオン伝導率を示すのだ。

 ここで菅野氏と加藤氏が発見した2種類はいずれも結晶系硫化物で、
“Li 9.54 Si 1.74 P 1.44 S 11.7 Cl 0.3″(LSPSCl)と”Li 9.6 P 3 S 12”
(LPS)だ。前者は、2011 年に菅野教授が開発したLGPS に対して、高価なゲルマニウムに代わる元素を探索する中で見つけたもので、さらに微量の塩素を加えることで、27℃で、2.5×10-2S・cm-1という極めて高いイオン伝導率を示した。一方、後者は,リチウム金属を負極に使っても安定に作動する電解質を探索していた時に見いだした超イオン伝導体で、広い電位窓*⁷をもつのが特徴だ。

*7; 電極反応において、溶媒や電解質の分解などの影響を受けずに安定して電位を走査できる範囲のこと。

 そこで、菅野教授らはこれらの超イオン伝導体を固体電解質に用いて全固体電池を作製した。すると、リチウムイオン電池 よりも室温で3倍以上の出力密度をもつことや、-30℃から100℃までの広い温度範囲で優れた充放電特性をもつことが確認できた。また、室温や高温で1000サイクルに及ぶ充放電を行っても性能の劣化がなく、十分な耐久性があることも分かった(資料*4の図6参照)。

更なる進展を

 とはいえ、硫化物固体電解質には、水蒸気を含んだ空気に触れると有毒の硫化水素が発生することがあるため、乾燥した空気中で扱わなければならないという問題がある。(資料*4末尾箇所から引用)

 そこで、現在、JSTの”戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化技術開発(ALCA)”における”特別重点技術領域次世代蓄電池(ALCA-SPRING)”の全固体電池チームでは、辰巳砂教授をチームリーダーに、高田氏をサブチームリーダーに据え、硫化物型全固体電池とともに、酸化物型全固体電池の研究開発も進めている。

 酸化物固体電解質の課題は,電極内および電極との界面で高いイオン伝導率を
示す物質が見つかっていないことだ。とくに酸化物は硫化物とは異なり硬いため、電極との界面で十分な接触面積を取れず、界面での抵抗が上がってしまう。
「しかし、酸化物で成形性に優れた固体電解質が実現できれば、他の次世代蓄電池も含めて、究極の蓄電池が完成することになる」と辰巳砂教授は語る。
全固体電池の開発は日進月歩である。1日も早い実用化に期待したい。

 そうした中、鈴木氏は今(2019年2月現在)どのような課題に取り組み、研究を進めているのか?(資料*3末尾箇所から引用)
・ひとつは、全固体電池の体積が大きく膨張したり収縮したりする課題を解決すること。
・もうひとつは、AIを活用した、酸化物系リチウムイオン導電体の探索法の開発。
 つまり、全固体電池に使って高い効果を上げる物質の探索だという。いわゆるMI(マテリアルズ・インフォマティクス:機械学習を応用した材料探索)だ。「酸化物の全固体電池に役立つ材料を機械学習で見つけたいと思っている」

                            以上

REN21「自然エネルギー世界白書2018」公表:電力部門の変革は加速している − しかし、熱利用と交通でも早急な対策が求められている

                           2018年6月4日
[出典]ISEP 環境エネルギー政策研究所
REN21, Renewables Global Status Report, “自然エネルギー世界白書 2018”
https://www.isep.or.jp/archives/library/11103

[管理者注]原文をさらにまとめて、簡略化した。とくに図は載せていない。

1, 178GWの自然エネルギーが2017年に全世界で導入された。
 REN21の”自然エネルギー世界白書(GSR)2018″によれば、自然エネルギー発電設備は2017年に世界の発電容量の正味増加分の70%を占め、近年で最大の増加となった。
 自然エネルギー発電設備の導入量順位は、水力、風力、太陽光の順で、この3種で9割以上を占める。中でも太陽光の伸びは格段であった*。

* 太陽光発電の新設容量は記録的な規模となった :2017年に新設された太陽光発電の設備容量は前(2016)年と比べて29%増の 98GWだった。これは、石炭火力発電、天然ガス発電、原子力発電の正味拡大分の合計よりも多かった。風力発電も自然エネルギー発電の 拡大に貢献し、世界全体で52GWが新設された。

 しかし、合わせて世界の最終エネルギー需要の5分の4を占める熱利用と交通部門での自然エネルギー利用は、電力部門に比べて大きく遅れをとったままである。

2, 新設自然エネルギー発電への投資は、火力発電への巨額の補助金が現在もあるにもかかわらず、火力発電所と原子力発電所の正味追加分への投資額の2倍以上となった。2017年には発電部門への投資の3分の2以上が 自然エネルギーへと向けられた。その理由は、自然エネルギー発電の コスト競争力が高まっていることに加え、今後も電力分野での自然 エネルギー割合は増加の一途をたどると考えられているからである。

 自然エネルギーへの投資は特定の地域に集中している:2017年の世界の自然エネルギー投資の約75%が中国と欧州、米国に向けられた。

 しかしながら、GDPあたりの投資額で見ると、マーシャル諸島、ルワンダ、ソロモン諸島、ギニアビサウ、その他多くの発展途上国において、先進国や新興経済国と同等かそれ以上の投資が行われている。

3,もし世界がパリ協定に基づく目標を達成しようとするならば、熱利用部門と交通部門は電力部門と同じ道筋を、速く辿る必要がある。ところが熱利用と交通部門では以下の状況が見られる:

 太陽光発電の設備容量は前(2016)年と比べて29%増の 98GWだった。これは、石炭火力発電、天然ガス発電、原子力発電の正味拡大分の合計よりも多かった。風力発電も自然エネルギー発電の拡大に貢献し、世界全体で52GWが新設された。

3-1, 熱利用部門では自然エネルギーの導入はほとんど進まなかった:現代的な自然エネルギー*2は2015年に世界全体の熱生産量合計の約10%を供給したにすぎない *3。電力部門の自然エネルギー目標は146カ国が設定している一方で、熱利用部門の自然エネルギー利用の国家目標は全世界で48カ国にしかない。

*2「現代的な自然エネルギー」とは、非効率で空気汚染を引き起こす伝統的バイオマス燃焼を除く、現代的な燃焼技術や排気処理による自然エネルギー利用を指す。
*3 4項参照。

3-2,交通部門では、依然として化石燃料が圧倒的に優勢ではあるものの、電動化が進むことで自然エネルギー導入の機会となりうる:毎年3,000万台以上の電動二輪車や電動三輪自動車が世界の道路輸送で増加 しており、120万台の電気自動車が2017年に販売され、2016年と比べて約58%増加した。電力は交通部門のエネルギー需要の1.3%を供給し、その4分の1が自然エネルギーによるものであった。さらにバイオ燃料は2.9%を供給した。しかしながら、全体として見ると、交通部門のエネルギー需要の92%は石油により賄われており、交通部門での自然エネルギーの利用目標を定めているのは42カ国にすぎない。

4,最終エネルギー消費における自然エネルギー割合(部門別 2015年)

 伝統的バイオマスを除いたケースでは、自然エネルギーの占める割合はさらに低下する。1割程度となろう。

 これらの部門を転換していくためには、正しい政策枠組みを実現することが必要であり、遅れている部門での自然エネルギー技術のイノベーションと発展を刺激する必要がある。
 アルソロス・ゼルボスREN21議長はこう付け加える:「エネルギー転換を実現するためには、政府による政治的リーダーシップが必要となる。化石燃料と原子力への補助金をやめること、必要なインフラへの投資を行うこと、熱利用と交通部門への意欲的な目標と政策を確立することがその例である。こうしたリーダーシップがなければ、世界が気候変動と持続可能な発展に向けた誓約を 達成することは難しくなるだろう。

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[補足]
 REN21「自然エネルギー世界白書」について
 REN21の自然エネルギー世界白書2018は、2017年末までの発展と傾向、可能な情報については2018年初頭までの傾向をまとめている。

 自然エネルギー世界白書は2005年に初めて公表され、世界の自然エネルギー
市場や産業、投資、政策動向についての状況と直近の進展、傾向をまとめた包括的かつ時宜に適した年次報告書である。分析や予測は意図的に排除されている。データは世界中の900名の貢献者、研究者、著者のネットワークから提供されている。  www.ren21.net/gsr-2018

  REN21について
“Renewable Energy Policy Network for the 21st Century”
(本部:フランス パリ)は、2004年に設立され、国際的な自然エネルギー政策に関する多様なステーホルダーをつなぐネットワーク組織。
     www.ren21.net/

  その他の参考資料
 REN21「自然エネルギー世界白書」関連の資料は、ISEPの「自然エネルギー
世界白書」特集ページからもダウンロードできる。「自然エネルギー 世界白書2016年版」までのレポート(日本語、英語)、「自然エネルギー 世界白書2017年版サマリー」(日本語)もこちらの特集ページに掲載して いる。↓

   ISEP特集「自然エネルギー世界白書」- www.isep.or.jp/gsr/

                               以上

再生可能エネルギー2018年、2023年に向けての分析と予測

出典:Internatinal Energy Agency(IEA)のサイトでレリースされた報告書
その要約(executive summary)部分。
https://webstore.iea.org/download/summary/2312?fileName=English-Renewables-2018-ES.pdf

==現代のバイオエネルギー、見逃されている再生可能エネルギーの巨人==

 バイオエネルギーは、今年の報告書の特別な焦点だ。2017年に消費されたすべての再生可能エネルギーの半分は、太陽光発電(PV)と風力の4倍の貢献をもたらした現代のバイオエネルギーに由来している。最終的なエネルギー消費に寄与する現代のバイオエネルギー(バイオマスの伝統的な使用を除く)の大部分は、建物および産業において熱を提供する。残りの部分は輸送部門と電力で消費される。

 バイオエネルギーは、予測期間2018-23年にわたって、再生可能エネルギー 消費の成長を促す。再生可能エネルギーの消費量の約30%は、バイオエネルギーが熱とその消費量の増加と輸送のためにかなりの量で使用されているため、固体、液体、気体の燃料の形で現代のバイオエネルギーに由来すると予想される。この2つのセクターは全エネルギー消費の80%を占めているのに、他の再生可能エネルギーはほとんど貢献していない。2023年には、現代のバイオエネルギーは主要な再生可能エネルギー源として維持されるが、再生可能エネルギー全体のシェアは太陽光発電と風力発電が電力部門で加速するにつれて、わずかに減少する。

== ますますエネルギー消費増加全体の中枢となる再生可能エネルギー ==

 世界の再生可能エネルギー消費量は、2017年に5%以上増加した。これは最終エネルギー消費量の3倍のスピードだ。電力分野では、風力、太陽光発電、水力発電を中心に、世界の発電量の半分を再生可能エネルギーが占めた。

 世界のエネルギー需要を満たす再生可能な技術のシェアは、2023年には5倍に 増えて12.4%に達すると予想されている。2012-17年間よりも早い進捗率を示している。再生可能エネルギーは、予測期間にわたって世界のエネルギー消費量の成長の40%をカバーしている。その使用は、2023年に世界の総発電量の30%に達する電力部門で最も急速に増加し続けている。しかし、政策サポートの脆弱性と展開の障壁が増えているため、再生可能エネルギーの利用は運輸部門や熱部門でははるかにゆっくりと拡大している。

 ブラジルは最も環境に優しいエネルギーミクスを有するが、中国*1は絶対的な 成長を導こうとしている。世界最大のエネルギー消費者のうち、ブラジルは2023年の最終エネルギー消費量の約45%を、再生可能エネルギーの最も高い割合で使用している。輸送と産業におけるバイオエネルギー消費は重要で、水力発電は電力部門を支配している。一方、すべてのセクターを脱炭素化し、地方の大気汚染を減らす政策の結果、中国は予測期間中に絶対的な世界的成長を達成し、EUを上回って再生可能ネルギーの最大消費国となる。欧州連合(EU)では、2020年と2030年の再生可能エネルギー目標を合わせて国レベルの政策とエネルギー効率の向上により、再生可能エネルギーのシェアが拡大している。インドでは、バイオエネルギーは、急速な太陽光発電と風力の拡大に続く産業における重要な役割のために、再生可能エネルギーの成長を促進する。
*1) ”China”は、中華人民共和国を表すために全域で使用している。

== 太陽光発電は再生可能な電力容量拡大を征する ==

< 途中略 > ,,,,

== 再生可能な熱潜在力は未開拓のままであり、政策による支援を必要とする ==

 再生可能な熱消費量は再生可能な電力量よりも絶対的に高いが、依然として 世界の熱需要のわずか10%に過ぎない。エネルギー最終使用量の最大部分を熱が占める(最終的なエネルギー消費量の52%)、建物の暖房や水、料理用、および工業プロセス用に使用される。再生可能な熱消費を支配する現代のバイオエネルギーは、2017年に直接使用された再生可能熱の70%以上を占めるとともに、地域暖房に使用される再生熱の大部分を占めている。

 再生可能な熱消費量は20%増加し、世界の熱需要の3分の1以上を占めると 予測されている。中国、欧州連合(EU)、米国、インドは、再生可能な熱の成長の大部分を占めている。中国の再生可能熱消費量は、米国のそれを上回る2023年までに最大の消費者になっている。再生可能な熱シェアは、エネルギー効率が上昇するにつれて、政策と熱需要全体の減少により、EU加盟国で着実に拡大し続けている。

 産業部門における現代のバイオエネルギー消費は、13%増加すると予想 される。セメントサブセクターにおけるバイオマスおよび廃燃料の使用は、ほぼ40%増加すると予想される。しかし、EUのセメント産業が示しているように、バイオエネルギーと廃棄物が強固な廃棄物管理政策に従ってエネルギー需要の4分の1を満たすようなら、さらなる拡大の可能性はかなりある。パルプおよび紙を除いて、他のエネルギー集約型バイオエネルギーは、最小限の貢献しか期待されていない。

 熱のための再生可能な電気は、2つの潮流故に、予測期間にわたり再生可能な 熱の成長に対する第2の貢献者である。 熱を発生させるための電気の使用は、総熱消費の増加よりも速い速度で増加している。そして2)電力部門における再生可能エネルギーのシェアが急速に拡大している。産業プロセスの電化も普及しつつあり、建物内のヒートポンプの使用はますます普及しつつある。

== バイオ燃料と電気自動車が、輸送における相補的な選択肢として登場 ==

 バイオ燃料生産量は増加し続け、予測期間の終わりには15%増の1650億リットル(L)となる。しかし、バイオ燃料は、2023年の全輸送エネルギー需要の4%未満しか占めていない。電気自動車が急速に拡大しても、バイオ燃料は2023年の輸送部門のエネルギー需要の総再生可能エネルギーの約90%をまだ占めている。燃料エタノールはバイオ燃料生産の成長の3分の2を占め、バイオディーゼルおよび水素化植物油(HVO)は残りの部分となる。

 アジアとラテンアメリカはバイオ燃料生産の成長を支配している。中国、インド、ASEAN*2を中心としたアジア諸国では、原材料が十分に供給されており、供給の安全性を高めたいとの願望が政策支援を強化していることから、世界の生産高の半分が増加すると見込まれている。一方、ブラジルは、予測期間中にどの国のバイオ燃料産出でも最大の絶対的増加をもたらす。米国のエタノール生産は、車両の効率向上、新規設備への投資の制限、現在の政策体系でのトウモロコシエタノールの許容限度の達成などによりわずかに減少すると予測されている。
* 2)東南アジア諸国連合

 2020年はバイオ燃料政策の重要な年になると期待されており、ブラジルと中国は市場の見通しを大幅に引き上げると予想される政策スキームを導入する。ブラジルの主力RenovaBio政策は、バイオ燃料生産の経済性を強化し、既存設備からの新規生産能力と生産量への投資を加速することが期待されている。さらに、中国は全国的に10%のエタノール配合義務を拡大しており、その結果、予測の顕著な上方修正が行われている。2020年までに、インドの最近発表されたバイオ燃料政策もまた、バイオ燃料生産の増加をもたらすと予想されている。しかし、この10年の転換は、従来のバイオ燃料に対するEUの政策支援を弱めることと一致する。

 より強力な政策支援にもかかわらず、高度なバイオ燃料生産は依然として 低いままである。主に欧州、インド、米国において、支援的な政策枠組みが整備されている、より新しい技術を使用しているいくつかの高度なバイオ燃料工場が建設中または発表されている。しかし、政策支援が強化されなければ、新規高度バイオ燃料は2023年までにすべてのバイオ燃料生産量のわずか1%しか占めない。航空分野におけるバイオ燃料の需要は、主に自発的な取り組みによって増加している。しかし、技術的に成熟した燃料があるにもかかわらず、生産コストが低下したり、政策支援が強化されたりしない限り、航空バイオ燃料の生産は制約されたままであると予想される。

 輸送における再生可能電力は、2/3に拡大すると予想されている。気自動車、二輪車、三輪車、バスがこの成長をリードしている。これらの電力消費量は予測期間にわたってほぼ3倍になる。
しかし、鉄道は2023年に大部分の再生可能エネルギーを占めている。全体的な再生可能エネルギーは、予測期間の終わりまでに全世界の電化輸送需要のほぼ1/3を提供する。

== 再生可能エネルギーの将来にとって政策は依然として非常に重要 ==

 長期的な気候やその他の持続可能性の目標を達成するために、熱、電気、 輸送部門における再生可能エネルギーの開発は加速しなければならない。現在予測されているペースで進捗が継続すれば、最終エネルギー消費における再生可能エネルギーの割合は2040年には約18%となるが、IEAの持続可能な発展シナリオのベンチマークである28%を大幅に下回ることになる。

 電力セクターにおける再生可能エネルギーの拡大は、IEAの言う加速の場合には 25%増加する可能性がある。再生可能エネルギー技術の競争が激化する中でも、適切な政策と市場設計が不可欠だ。加速ケースでは、政府が2020年までにグリッド統合と資金調達の課題に取り組むと共に、政策と規制の不確実性への措置を導入することを前提としている。中国、EU、インド、米国は共に加速ケースで潜在的な上昇の2/3を占めている。その結果、再生可能エネルギーの成長は、長期的な気候と持続可能性の目標を達成するために、再生可能な電力セクターを完全に軌道に乗せる2018-23年に1.3TWに達する可能性がある。

 より有利な市場と政策条件が仮定されている加速ケースの場合には、 世界の輸送用バイオ燃料の生産量は、主要な場合よりも25%高くなる 可能性がある。混合義務の強化された実施は、ブラジル、中国、米国が最大の貢献をして、エタノール生産量を20%以上向上させるだろう。
バイオディーゼルとHVOの生産量は、ブラジル、インド、ASEANを中心に30%以上上昇する可能性がある。発表されたプロジェクトのより高い割合が運用可能になると仮定すると、非食料作物、原料、原料の残留物を使用する新型の高度なバイオ燃料技術は、2/3に拡大する可能性がある。

 セメント・サブセクターならびに砂糖およびエタノール産業における バイオエネルギー使用を増加させる潜在的な可能性は重要である。セメント製造は、この業界で使用されているバイオエネルギーの2/3が廃棄物であるため、最大の可能性を秘めている。主要なセメント生産国における強固な廃棄物管理は、したがって、2023年までにバイオエネルギーと廃棄物が満たすエネルギー需要の割合を13%に倍増させる可能性がある。
砂糖およびエタノール産業では、すべてのサトウキビ栽培国が高効率コジェネレーション、サトウキビ藁および新エネルギー杖の品種の可能性を利用すると、再生可能エネルギーの発生が大幅に増加する可能性がある。

 熱、輸送、電気部門のバイオエネルギーの成長は、電力部門の他の再生可能 エネルギーと同様に大きくなる可能性がある。この潜在的可能性のかなりの部分は、ライフサイクルの温室効果ガス(GHG)排出量が低く、土地利用の変化に対する懸念を緩和する廃棄物および残留物に依存している。さらに、これらの資源を使用することで、廃棄物管理と大気質を向上させることができる。

 堅牢な持続可能性の枠組みは、バイオエネルギーの成長にとって重要である。許容できない社会的、環境的および経済的影響を回避しながらライフサイクルGHG排出を削減するバイオエネルギーのみが、エネルギーシステムの脱炭素化において将来の役割を担う。したがって、強固な持続可能性のガバナンスと施行は、あらゆるバイオエネルギー支援政策の中心的な柱でなければならない。

*****************************************************

==== 2020年までの分析と予測====

近年、太陽光発電と風力発電の指数関数的な増加と、水力発電の重要な貢献を基盤とした再生可能エネルギーにとって、電力部門は引き続き最も明るいスポットである。しかし、電力は世界のエネルギー消費の5分の1しか占めておらず、輸送部門と暖房部門における再生可能エネルギーの役割は、エネルギー転換にとって依然として重要である。

再生可能エネルギーに関するIEAの年間市場分析と予測であるRenewables 2018は、世界的に再生可能エネルギーの最大供給源であるバイオエネルギーを詳しく見ている。しばしば見過ごされがちな持続可能なバイオエネルギーの貢献は、再生可能エネルギーに関する世界的な議論の「盲点」を表している。
バイオエネルギーは、特に熱および輸送部門において、エネルギーシステム全体にわたって重要な貢献をしている。

Renewables 2018は、エネルギーシステム全体で再生可能エネルギーを調べることに加えて、2018年から2023年の期間の予測と同様に、電気、熱および輸送部門における再生可能エネルギーの概要と市場分析を提供する。また、電力と再生用バイオ燃料の再生可能エネルギーの更なる成長を可能にするとともに、持続可能なバイオエネルギーやその他の再生可能エネルギーの潜在的な可能性が産業界や輸送部門の緑化に果たしていることを示している。
初めて、Renewables 2018には、再生可能エネルギー市場における最新の動向によって提起された、主要な質問に答えるための章が含まれている。

以上

ネクスト・クラフトヴェルケ社は、新しいエネルギーの世界を形作る ー有益で、デジタル、持続可能なー

[出典:ネクスト・クラフトヴェルケ社HP > ABOUT > Our company > Download > Company
https://www.next-kraftwerke.com/wp-content/uploads/company-brochure-vpp-next-kraftwerke.pdf]

     — どのような企業か —

   エネルギー変換用ヴァーチャル発電所(VPP)
 2050年には、ドイツで生産される5kWのエネルギーのうち、最低4kWが再生可能エネルギー源、理想的にはすべてのkWは持続可能な形で生産されることになる。2013年、再生可能エネルギーに基づく新発電所の数は、従来方式の新発電所の数よりも多くなっている。分散型の小規模発電所へのこの巨大なグローバルな変革は、大規模な発電所を時代遅れにするであろう。
 課題:信頼性の高いエネルギー供給を保証するために、これらの新しい分散型発電機と消費者をインテリジェントに調整して制御すること。
 これが当社のVPPが活躍する場所なのだ。現在、当社のシステムは、4,200以上の電力生産および消費ユニットを管理している。これには、バイオガス、風力、太陽光発電などがある。
 総容量は2,800MW以上で、電力網のバランスの変動を助けるだけではない。当社の24/7電力取引フロアを使用して、様々な欧州電力取引所(EPEX Spot あるいはEEXなど)の電力を交換し、生産者と消費者双方にとって最適な価格を見つける手助けをしている。
 再生可能エネルギー源は、生態学的にも経済的にも適切な選択肢であることを、我々は証明している。すべてのVPP参加者とともに、我々は100%再生可能エネルギー源からの信頼できる電力生産で、将来のエネルギー景観を形成している。
[ H・セミッシュおよびJ・シュヴィルは、ネクスト・クラフトヴェルケ社創立者であり役員である。 ]

  図1-ネクスト・クラフトヴェルケ社の業容

   NEXT POOLの仕組み
 気象に依存するエネルギー源に基づくエネルギー供給は、変動のバランスを確実に取る必要がある。これはまさに我々のVPPであるNEXT POOLが行うように設計されている。それは電力生産者と消費者をネットワーク化し、制御する。
 しかし、これはどのように機能するか? ソーラーパークのための日照の少ない曇った日を想像すると、我々の集約されたバイオガスプラントが発電に参加して生産を増やすのだ。また、期待していたよりも風が強い日を想像すると、我々のネットワークの消費者はより安い価格で恩恵を受け、より多くの電力を消費できるのだ。グリッド周波数が低すぎて不安定になると、ネットワーク化されたアセット(資産)グループが起動し、数秒以内に電力が供給される。

  図2-電力供給ネットワーク

   Next Poolにおけるアセットおよびクライアント
> 再生可能エネルギーアセット    > ガス・コージェネ*
> 公共事業 > 100.000 kWh以上の電力消費者
> 発電セット             > グリッド・オペレーター
> 蓄電機
* 「コージェネレーションシステム(CHP)」とは、熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの総称であり、国内では「コージェネ」あるいは「熱電併給」、海外では、”Combined Heat & Power”あるいは”Cogeneration”等と呼ばれる。

     — NEXT POOLが提供するもの —

   参加者の収入を増やす – 誰にとっても安定したグリッド
 電力は必ずしも同じ価格ではない。電力取引所では、電力の価格が毎日96回以上変化する。電力生産者と消費者は、VPPのお蔭で価格の変動から利益を得ることができる。NEXT POOLでネットワーク化された集約ユニットとしてプールされた資源は、様々な電力市場に参加するのに十分な大きさなのだ。しかし、それは実際にどのように機能するか?
 ここに例がある。:バイオガスプラントの所有者は、電力取引所の現在の価格に従って生産を調整する。:価格が高いときは生産が上がり、価格が低いときは下がる。これは経済的な意味を持つが、電力システム内の電力生産者の役割も強化する。
 柔軟に消費を調整できる大規模な電力消費者は、電力市場の変動から利益を得ることができる。:電力市場価格が低いときは消費を増やし、価格が高いときは消費を減らす。
 さらに、管理された準備金市場に参加することにより、収益の増加の機会が得られる。:電力生産者と消費者は、VPPを介してグリッド周波数の変動を平準化する柔軟性を提供することができる。これらのユニットは、太陽光や風力などの再生可能エネルギー源の変動性供給をバランスさせることによって、エネルギー移行を積極的に支援する。
 力あるトレーダーと、我がVPPにおける特別に開発されたアルゴリズムのおかげで、我々は常に最適なパフォーマンスのためにどのアセットを使用できるかを知っている。この情報は、VPPのコントロールシステムを使用して、アセットに自動的に送信されるようになっている。
[VPPに参加している4,257人中の1人:G・クラーセン、生産マネージャー、KBB バイオガス有限会社およびクラフトヴェルケ社, キルヒリンテルン]

     — 働き方 —

   多彩な専門家が一つ屋根の下に
 ネクスト・クラフトヴェルケ社本部には、ネットワーク化されたアセットのスマートな提供に必要なすべての部署がある。:IT、制御および通信システム、電力取引フロア、顧客関係、および販売。これらのプロセスは、VPPを継ぎ目無く実行する上で不可欠だが、この完全なサービスアプローチは、多くの電力生産者、消費者、およびユーティリティ会社がネクスト・クラフトヴェルケ社と長年協力してきた理由の1つでもある。
 我々と連絡を取ったときに、誰も匿名のホットラインに話すことはしない。ネクスト・クラフトヴェルケ社では、常に専用の連絡先に繋がるようになっている。
 前述の外部サービスパートナーにより、当社は顧客にできるだけ近づき、間接費を低く保っている。これは、クライアントにとってより多くの収益を意味する。たとえば、市場アクセス、取引、またはバランシング料金を徴収する外部の電力取引業者には依存していない。
 社内取引フロアでは、顧客に幅広いサービスを提供することができる。:EPEXスポットやコントロールリザーブ市場、その他の欧州の電力市場での開場前および日間の市場への直接アクセスを提供している。毎日、当社の優れて有能なトレーダーは、顧客にとって最良の結果となることを目指している。
 さらに我々は、公益企業、エネルギープロバイダー、およびバランシンググループマネージャーの仕事を支援する。VPPの4,200以上のアセットの供給および消費生データは、詳細な予測の基礎を形成する。さらに、気象アナリストの気象データも継続的に更新され、当社の予測を補完している。
[ネクスト・クラフトヴェルケ社の取引チームは、ヨーロッパの様々な電力取引所で24/7取引を積極的に行っている。]

   生産品とサービス
> 市場アクセス   > 電力取引        >バランシング・グループ管理

> 制御予備     > ポートフォリオ管理   > 需要対応

> 柔軟な電力料金

   社内で設計され、運営されている
 VPPの可能な限り最高の制御を維持するために、我々はすべての作業プロセスを社内で処理する。我々によって開発された主要技術コンポーネントに加えて、VPPの運営はネクスト・クラフトヴェルケ社によって完全に管理されている。

     — 設備の機能 —

   数千のユニット – 非常に安全なシステムにデジタル接続
 2つまたは3つの大規模従来型発電所の能力に合わせて数千の小規模ユニットを集計する時、そこには多くの技術が関与している。産業4.0、デジタル化、クラウドコンピューティング等の流行語があるが、結局のところ我々のアプローチは基本的なコンセプトに行き着く。:経済的に実行可能でありながらグリッドに合理的なサービスを提供し、電力生産と消費を効率的に制御するために膨大な量のデータを整理し分析する。
 VPPの中心には、当社のシステムエンジニアによって完全に維持管理されている制御システムがある。この制御システムは、M2M通信を介してすべてのアセットと自動的にデータを交換する。制御システム、グリッドオペレータ、およびアセット間の継続的なデータ交換は高度に暗号化されている。余裕あるサーバー構造により、VPPは停止されないことが保証されている。
 当社の制御システムにより、VPPにおいてどのくらいの容量が利用可能か、およびコントロールリザーブ(余剰制御)市場にどれだけの柔軟性を提供できるかが常に分かるようになっている。さらに、この制御システムにより、
EPEX SPOTの日中市場からの価格シグナルに応じて、15分ごとに柔軟な電力生産およびアセットの消費を調整することができる。
 アセットを制御システムに接続するために、NEXT BOXを使う。一度インストールされると、すべての監視データを制御システムに送信し、アセットに価格最適化、したがって収益最適化のスケジュールを実装する。

  図3-NEXT_BOXの写真

VPPへのM2M接続:Next Boxは分散されたアセットを制御システムに接続する。

     — 業績 —

<< 業容 >>           << 賞 >>
・VPPの全容量:2,800 MW以上   ・2017年インターソーラー賞受賞 他多数
・接続アセット数:4,200以上
・取引電力量(2016):10.2 TWh
・設立:2009年
・支社数:11
・従業員数:135名
・売り上げ(2015):273百万ユーロ

  図4_設立時のVPP

   ケルンから世界へ
 2009年、我々はケルンのエーレンフェルド地区でVPPのビジョンを開始した。現在、ヨーロッパ最大のVPPの1つを、2つの原子力発電所に相当する総容量で運営している。我々は、生態学的かつ経済的に実行可能な電力生産を実現させると言う世界的なエネルギー転換の目標を追求しつつ、成長を続けている。

[ Next Kraftwerke :Lichtstraße 43 g • 50825 Köln • Germany ]
T: +49 (0)221 82 00 85 70
F: +49 (0)221 82 00 85 99
Inquiries : info@next-kraftwerke.com
Press inquiries: media@next-kraftwerke.com
International offices :Berne • Brussels • Lyon • Milan • Nantes • Paris • Warsaw • Vienna

環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書

[出典]
「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書」
平成30 年3 月  環境産業市場規模検討会
http://www.env.go.jp/press/files/jp/109313.pdf

[注]報告書に記載されているデータは膨大な量となるので、SDGs(持続可能な開発の目標)項目の内、クリーンエネルギー利用と地球温暖化対策に絞って記載した。
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環境産業の定義:Eurostat(2016)に近づける形で、「供給する製品・サービスが、環境保護および資源管理に、直接的または間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義し、環境負荷の低減に寄与する可能性のある産業を幅広く対象に含めることとする。

環境産業の定義と分類:平成24年度に、「環境汚染防止」「地球温暖化対策」「廃棄物処理・資源有効活用」「自然環境保全」の4分類とした。

新規追加を検討するモノ・サービス
・炭素繊維素材・製品
航空業界は、「複合材による機体の軽量化」をCO2排出量削減に最も効果がある 施策と認識。2020年度CO2排出量を2005年度比で21%削減する目標を立てている。
炭素繊維製造業の市場規模は、2002年度375億円であったが、2015年度には1,238億円に拡大している。
・宅配ボックス
平成29年度の住宅用が約18億円、非住宅用が約10.7億円の規模と見込んでいる。

環境産業に係る市場規模及び雇用規模の推計
1,市場規模
図1、環境産業全体の市場規模推移

各論
図2、地球温暖化対策分野の市場規模推移

図3,廃棄物処理・資源有効利用分野の市場規模推移


資源有効利用分野では建設リフォーム・リペアの比重大

図4,自然環境保全分野の市場規模推移


持続可能な農林水産業の比重大きいが、中でも最近は持続可能な森林整備・木材製造が伸びている。

2,雇用規模の推計
図5,環境産業全体の雇用規模推移

各論
図6、地球温暖化対策分野の雇用規模推移


最近はクリーンエネルギー利用の雇用伸びが大きい

                           以上

インドの新しい国家電力計画は、2027年までに275GWの再生可能エネルギーを目指す

「インドの新しい国家電力計画は、2027年までに275GWの再生可能エネルギーを目指す」
最新のエネルギー政策文書は、 ”次の10年に見られる48GWの石炭プラント閉鎖”と言う移行モーメンタムを支持している。
[出典]

IEEFA India: New National Electricity Plan Reinforces Intent Toward 275 Gigawatts of Renewables-Generated Electricity by 2027

Tim Buckley and Kashish Shah      April 19, 2018

図1,インドの国家電力計画2018年

インドの最新の電力セクター青写真である国家電力計画2018(NEP 2018)は、2027年までに275ギガワット(GW)の再生可能エネルギーのコアターゲットを維持しながら、インドの電力部門を変革するという政府のコミットメントを強化する。

一方、中央電力当局のデータリリースでは、2018年3月までのセクターの業績を追跡すると、2年目の再生可能エネルギー設備の設置台数は、新設された火力発電の2倍以上であることが示されている。
政府の公害防止目標と一致して、過去2年間で火力発電所の閉鎖は6.8GWであったが、正味の熱付加量は平均でわずか年6GWであったのに対し、4年間で70%の削減となった。

再生可能エネルギーはNEP 2018の中核であり、2016ドラフトを更新し、2026/27まで続ける。また、インドの進行中の発電移行には、2017/18年に風車設備が失速していることに対していくつかの逆風があったが、全体的な勢いはプラスである。

風力と太陽光の両方の価格の急速な低下は、2016年の開始以来、関税率が50%低下している傾向を推進している。再生可能エネルギーは、現在、低コストの新しい電力源として明確に認められている。

「また、計画には、石炭を最大限消費する石炭発電プラントに対処するためのタイムラインが含まれており、」これは、大気汚染の厳密さの観点から、電力省によって現在までに目に見える進展がないことへの懸念を緩和すべきであり、特に、排出規制の導入期限が2017年となる5年間の延期が明らかになった。

洋上風力推進と世界最大のソーラー・パークを通じ、インド全土に勢いと規模がどのように形成されているかの指標。

NEP 2018には、48.3 GWの廃棄石炭プラントを閉鎖するための新しい目標が含まれている。具体的には、2016/17-2021/22の5年間で22.7GWの石炭火力発電所の閉鎖を予測している。これには、5.9GWの正常終了時の退役と、煙道ガス脱硫装置のスペースが不十分であることによる16.8GWの閉鎖が含まれる。
計画では、これらの退役は、「2021/22の間に(電気の)需要を満たすのに何の問題もないだろう」としている。追加の25.6 GWの石炭容量は、5年間で2026/27年に退役する予定である。
これらの退役と94.3GWの新規建設計画を考慮して、NEP 2018は2027年にインドの石炭発電容量が238GWに達し、2016年の予測よりも11GW低いと見ている。

インドの経済は大幅に成長すると見込まれており、 今後10年間で国内総生産(GDP)は7〜8%増加し、政府は電力需要が2027年には2倍近くになると予想している。石炭プラントの閉鎖が加速し、再生可能エネルギーが急増すると、火力発電は2017年の66.8%から、2027年にかけてインド全体の設備容量の42.7%に過ぎなくなる。

“これらのトレンドとそれを駆動する市場勢力”は、今後5年間にプラント負荷係数(PLF)が平均56.5%に上昇すると予測され、2027年までの5年間で60.5%にわずかに上昇する(60.5%PLFは石炭プラントの稼働率がわずか58%に相当)。この計画では、石炭発電プラントは、今後ますます変わる需要プロファイルに対応するために、改装やリエンジニアリングが必要になるとさらに結論づけている。

また、石炭の輸入量は、2021/22年に3分の2に減少して年間50百万トン(Mtpa)になり、国際エネルギー機関(IEA)や他の石炭産業後援者よりもかなり低い予想レベルで2027年まで安定している。

2027年の発電用の総熱石炭需要は877Mtpaと見積もられている。これにより国内の熱石炭生産量は827Mtpaとなり、非電力使用を考慮した後でさえも,わずか2年前に誇張された1,500Mtpaの生産目標をはるかに下回っている。

NEPの重要なアップデートの1つは、モンスーンの流れの気候変動の影響により、水力発電容量が今後10年間で30%減少するという仮定の採用である。

この計画では、石炭は引き続き発電に使用されるが、インドはその多くの排出ゼロの代替技術から十分な電力を調達できないと認めており、物語の根本的な変化である気候変動に迅速に対応することの重要性を強調している。

この計画は、2027年までに275GWの再生可能エネルギー容量を建設しようとする政府の意図(全国発電容量の44%、発電量の24.4%)を強化することで、今年と来年の年間30GWの太陽光発電入札電力省計画により入札促進活動が加速される。

全国的に委託された1.74GWだけの風力部門の2017/18年の遅れにもかかわらず、新・再生可能エネルギー省は、今年の第1四半期の6.5 GWを含めて毎年10-12GWの風力発電を計画している。

再生可能エネルギー活動の勢いと規模がどのようにインドに築かれているかの一つの指標としては:グジャラート州が1GWの洋上風力発電機を保有するのに今月4億ドルを承認したこと、そしてドーレラ特別投資地域での11,000ヘクタールの5GWソーラーパーク、の両計画を発表したことである。そのプロジェクトは、ラージャスターン州のバードラ 2.2-GW産業用太陽電池パークの2倍以上の、世界最大の太陽光発電設備となるであろう。

図2 インドの電力純増数 (2013-2018年度)

Source: CEA, IEEFA calculations

All in all, the NEP 2018 offers India a guide to a system-wide transformation
over the decade ahead, AND puts the country in a position of global
renewable-energy leadership.

Tim Buckley is IEEFA’s director of energy finance studies, Australasia.
Kashish Shah is an IEEFA research associate.

2017年の再生可能エネルギー発電コスト

出典;”Renewable Power Generation Costs in 2017″
http://www.irena.org/publications/2018/Jan/Renewable-power-generation-costs-in-2017
January 2018 IRENA – International Renewable Energy Agency

   主たる答申

太陽光や風力技術へのコスト低下が何年も恒常的に行われた結果、再生可能エネルギー力は新規発電ニーズを満たすべくますます競争力を増している。
・2017年に委託されたプロジェクトについては、再生可能発電コストは低下し続けている。

バイオエネルギー発電、水力発電、地熱発電、陸上風力発電について2017年に委託されたプロジェクトは、化石系発電コストの範囲内にほぼ収まった。*1
いくつかのプロジェクトは化石燃料発電コストを下回っていることが、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によって収集されたデータが示している。

・世界の加重平均電力コストは、2017年の新しい水力発電プロジェクトではキロワット時(kWh)当たり0.05ドルであった。陸上風力では0.06ドル/kWh、バイオエネルギーおよび地熱プロジェクトでは0.07ドル/kWhであった。

・2010年以降、実用規模の太陽光発電(PV)プロジェクトによる電力コストの低下は目覚ましいものであった。実用規模太陽光発電の世界均等化電力コスト(LCOE)は、2017年に委託された新規プロジェクトの場合、2010年以降73%減の0.10ドル/kWhとなっている。

・3つの主要なコスト削減要因がますます重要になっている:
1.技術的進歩;
2.競争的調達;
3.経験豊富で国際的に活躍するプロジェクト開発者の大きな基盤

連続的な技術革新は、再生可能な発電市場では定常的に行われている。
しかし、今日の設備コストが低いため、製造効率の向上、設置コストの削減、発電設備の性能向上などの革新がますます重要になる。

これらの傾向は、発電部門を横断して低コストの再生可能エネルギーへの幅広いシフトの一部である。 競争の激しい調達がコストを削減するため、幅広いプロジェクト開発者が成長のためと自己を位置付けている。

最近の再生可能エネルギーオークションの結果は、コスト削減が2020年以降も継続することが確認されている。 オークションは、将来の電力コスト動向に関する貴重な価格シグナルを提供する。

・2016年と2017年のドバイ、メキシコ、ペルー、チリ、アブダビ、サウジアラビアの太陽光発電の記録的な低価格オークション価格が、2018年以降のLCOEを正常な条件下において0.03ドル/kWhに削減できることを決定付けた。
————————————
*1.2017年のG20諸国の化石燃料発電コストの範囲は、0.05〜0.17ドル/kWhと推定されている。
————————————

陸上風力発電は、新発電能力を有する最も競争力ある電源の1つである。ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、メキシコ、モロッコの最近のオークションでは、0.03ドル/kWhという低い陸上風力発電LCOEが得られた。

再生可能エネルギーの最低オークション価格は、ほぼ一定の主要競争力要因を反映している。これらには次のものが含まれる:有利な規制および制度的枠組み;低所得国と国のリスク;強力な地元の土木工学の基盤;有利な課税制度;低いプロジェクト開発コスト;優れたリソース。

間もなく再生可能エネルギーの電力は、ほとんどの化石燃料よりも一貫して安価になるであろう。2020年までに、現在商用化されているすべての再生可能な発電技術価格は、ほとんどが化石燃料の最低価格帯または低価格帯以下の範囲内に収まることが予想される。

2020年までの太陽光発電と風力発電のコスト見通しは、世界中に展開できるこれらのモジュラー技術ではまだ見られない最低コストを示している。最新のオークションとプロジェクトレベルのコストデータに基づいて、地球規模の平均コストは、陸上風力発電の場合約0.05ドル/kWh、太陽光発電の場合は0.06ドル/kWhにまで低下する可能性がある。

・オークションの結果から、集光型太陽発電(CSP)と洋上風力発電は、2020年までに0.06ドルから0.10ドル/kWhの間の電力を供給することを示唆している。

低下する再生可能電力コストは、さまざまな発電オプションの競争力における実際のパラダイムシフトを示している。これには、再生可能エネルギー全体からの安価な電力と、現在最良の太陽光発電と陸上風力発電プロジェクトから得られている非常に低いコストが含まれる。

最近および予想される急激なコスト削減は、様々な太陽光および風力オプションの顕著なデフレ率を表している。2010-2020年度の学習率*2は、プロジェクトとオークションのデータに基づいて、洋上風力14%、陸上風力21%、CSP 30%、太陽光発電35%と推定されている。

・設置された総コストの削減は、太陽光および風力発電技術のLCOEの低下をさまざまな程度まで推進している。これは、太陽光発電、CSP、陸上風力発電で最も顕著であった。
————————————-
*2 学習率:累積設置容量が倍増するたびに発生するコスト削減率。
————————————-

     要約

 2017年に委託された新規プロジェクトについては、再生可能発電による電力コストは引き続き低下している。何年もの恒常的なコスト削減を経て、再生可能電力技術は新発電需要を満たす益々競争力ある方法となっている。

 2017年には、再生可能な発電技術の導入が加速するにつれて、競争力の絶え間ない向上が見られた。2017年に委託された電力用バイオエネルギー、水力、地熱および陸上風力発電プロジェクトは、化石燃料発電コスト(図1)の範囲内に十分あると、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によって収集されたデータで示されている。実際、これらの技術の電力コスト(LCOE)*1は、化石燃料オプションのLCOE範囲の下限に位置していた。*2

 2017年に建設された新しい水力発電所のLCOEはキロワット時(kWh)あたり約0.05ドルであったが、陸上風力発電所については約0.06ドル/kWhであった。新しいバイオエネルギーおよび地熱プロジェクトでは、世界全体のLCOEは約0.07ドル/kWhであった。

 2010年以降、実用規模の太陽光発電(PV)プロジェクトによる電力コストの低下は目覚ましいものであった。2009年末から太陽光発電モジュール価格の81%下落と、周辺装置システム(BoS)コストの削減と並行して、実用規模太陽光発電の世界LCOEは、2010年から2017年にかけて73%低下して 0.10ドル/kWhとなった。ますますこの技術は、従来の電源に対し一歩一歩先を行くように競争している。しかも財政的支援受けずに。

 洋上風力発電と集光型太陽発電(CSP)は、導入の面でまだ初期段階にあるが、コストは2010年から2017年の間に低下した。2017年に発注された洋上風力プロジェクトの世界LCOEは0.14ドル/kWhであり、CSPでは0.22ドル/kWh
であった。しかし、CSPおよび洋上風力発電プロジェクトについては2016年および2017年のオークション結果から、2020年以降に委託されるものについては、0.06ドルから0.10ドル/kWhの間のコストで段階的に低下することが示されている。
———————————-
*1. 所与技術のLCOEは、生涯発電に対する生涯費用の比率であり、両方とも平均資本コストを反映する割引率を用いて共通年に割り引かれる。このレポートでは、すべてのLCOEの結果は、明示的に言及されていない限り、OECD諸国および中国で実際の資本コスト7.5%、その他の世界では10%という固定仮定を用いて計算されている。
*2. 2017年の化石燃料燃焼電力コストの範囲は、燃料と国によって、0.05ドル/kWhの低価格から0.17ドル/kWhと推定された。

———————————-

図1. 2010-2017年における実用規模の再生可能発電技術からの電力の世界的な平準化コスト

出典: IRENA Renewable Cost Database.
注: 円の直径はプロジェクト規模を表し、中心はY軸上の各プロジェクトのコストの値。太い線は、毎年委託されたプラントの全体的なLCOE値。実質加重平均資本コストは、OECD諸国と中国では7.5%、その他の国では10%。バンドは化石燃料発電コストの範囲を表している。

 3つの主要なコスト削減要因がますます重要になっている:
 1.技術的進歩;
 2.競争的調達;
 3.経験豊富で国際的に活躍するプロジェクト開発者の大きな基盤

 歴史的に太陽光発電技術と風力発電技術を競争力のあるものにした、(セクターの産業化と規模の経済に加えて)性能向上と導入コスト削減には、技術の向上が不可欠であった。再生可能エネルギー市場のグローバル化に伴う競争力のある調達は、最近別の重要な要因として浮上している。これに伴い、経験豊富な中規模から大規模のプロジェクト開発者の拠点が立ち上がり、世界中の新しい市場を積極的に探している。これらの要素が合流することで、再生可能エネルギーのコスト削減がますます促進されており、2018年以降にはその規模が拡大するのみとなっている。

 継続的な技術革新が、再生可能な発電市場では絶えず行われる。実際、今日の低設備費の時代には、性能の向上や設置コストの削減という点で、製造効率を向上させる技術革新と発電設備の重要性がますます高まっている。掃引面積が大きい風力タービンほど、同じ資源からより多くの電力を得る。新しい太陽光発電装置は、より高い効率を提供する。リアルタイムデータと「ビッグデータ」により予測保守が強化され、運用管理(O&M)コストが削減された。したがって、技術の改善は、再生可能エネルギーのコスト削減可能性の重要な部分となっている。同時に、再生可能エネルギー技術の成熟度と実証済みの実績は、プロジェクトのリスクを削減し、資本コストを大幅に削減する。*3

 これらの傾向は、発電部門全体でのより大きな動きの一部であり、業界の機能の急速な変化を促している。世界の多くの地域では、再生可能エネルギー技術が現在、最も低いコストの新しい発電源を提供している。過去には、一般的に個々の技術(例えば、太陽光発電)およびセグメント(例えば、住宅、商業および実用規模のセクターに対する様々な支援、場合によっては建物統合かどうかなどの他の要因によって区別される)に合わせて調整された、直接的な財政支援を提供する枠組みが典型的であった。現在、これは、国のエネルギー、環境、開発政策の目標を達成するための再生可能発電の、競争的調達の段階を設定する好都合な規制および制度的枠組みに置き換えられている。世界中の中~大規模の再生可能プロジェクト開発者は、この新しい現実に適応し、ビジネスを拡大するグローバルな機会をますます探し求めている。彼らは、彼らの困難な勝利経験だけでなく、国際資本市場へのアクセスをもたらしている。同僚との競争で、彼らは継続的にコストを削減する方法を見つけている。

 最近の再生可能エネルギーオークションの結果 、今後委託されるプロジェクトに対して、プロジェクトコスト削減が2020年以降も続くことを確認している。

 IRENAは、約15,000の実用規模のプロジェクトのプロジェクトレベルの費用データを含むIRENA Renewable Cost Databaseに加えて、約7,000件のプロジェクトに対して、オークション結果およびその他の競争的調達プロセスのデータベースを作成している。オークション価格は必ずしもLCOE計算に直接匹敵するものではないので、これらの2つのデータベースの結果を比較する際には注意が必要であるが、2つのデータベースの結果を分析すると、次の数年にわたる再生可能な電力コストの分布に関する重要な洞察が明示される。
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*3. 2010年以来の一般的に低い負債コストにより、リスクマージンが減少するだけでなく、負債の基本コストも同様にこの効果が強化されている。
*4. 最低限、加重平均資本コスト(WACC)は同じではない。LCOE計算では、WACCは固定された既知の値だが、オークションのプロジェクトのWACCは未知であり、個々のプロジェクト開発者が価格を決定する他の要因の範囲に含まれている。

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 2016年と2017年のドバイ、メキシコ、ペルー、チリ、アブダビ、サウジアラビアの太陽光発電の記録的な低価格オークション価格が、2018年以降のLCOEを正常な条件下において0.03ドル/kWhに削減できることを決定付けた。これらには次のものが含まれる:有利な規制および再エネに有利な制度的枠組み;低所得国と国のリスク;強力な地元の土木工学の基盤;有利な課税制度;低いプロジェクト開発コスト;優れたリソース。

 同様に、ブラジル、カナダ、ドイツ、インド、メキシコ、モロッコなどの国では陸上風力発電のオークションの結果が非常に低いため、それは新発電能力の最も競争力のある供給源の1つとなる。CSPと洋上風力発電については、2016年と2017年が画期的な年となった。世界中のオークションの結果、段階的なコスト変更が達成され、2020年以降に委託されたプロジェクトで実施されることが確認された。事実、2016年と2017年のオークションの結果は、2020年以降の両方の技術について委託されたプロジェクトが、0.06/kWhドルと0.10ドル/kWhの範囲に入る可能性があることを示唆している。

 競争力のある調達、特にオークションは、太陽光や風力発電技術による電力の、さらなるコスト削減を促している。それでも、低コストを達成することは、低コストの資金へのアクセス、助長的な政策環境、および良いオークション設計などの支援要因に依存する。主要政策ドライバー(IRENA、2017、Renewableエネルギーオークション:分析2016)は、最新のオークション結果によって確認される。

 間もなく、再生可能エネルギーの電力は、化石燃料よりもずっと安くなるだろう。2020年までに、現在商用化されている発電技術はすべて、化石燃料のコストの範囲内に収まり、それも多くは最低限またはそれを超える価格となるだろう。

 2020年までにも、競争的調達によって契約されたプロジェクトは、年間新規の再生可能発電容量の追加分の比較的小さいサブセットになるだろう。オークション結果の傾向は、プロジェクトレベルでのLCOE傾向を代表するものではない。それにもかかわらず、最近のオークションの結果は、2020年以降のCSP、太陽光発電、陸上および洋上風力発電のコスト削減が継続することを示している。個々のプロジェクトのLCOEとオークション価格を比較する妥当性は慎重に行わなければならないが、利用可能なデータの量と2つのデータセット間の一貫した傾向が、全体的な傾向にある程度の信頼をもたらす。

 2020年までのプロジェクトのLCOEとオークションの結果の傾向を分析すると、陸上風力発電の平均費用は、2017年の0.06ドル/kWhから2020年には0.05ドル/kWhに低下する可能性があることを示唆している。ベルギー、デンマーク、オランダ、ドイツ、英国の2016年と2017年の洋上風力発電の最近のオークション結果は、2020年以降に委託されるプロジェクトでは、コストが0.06ドル/kWhから0.10ドル/kWhの範囲に低下する可能性を示している。実際、ドイツでは、2024年に委託される2つのプロジェクトと2025年に1つのプロジェクトが、市場金利に対して補助金を要求しない入札で行われている。同様の話がCSPでもあって、南オーストラリア州で2020年からの委託を受けるプロジェクトのコストは0.06ドル/kWhとなり、ドバイでは2022年以降に委託されるプロジェクトは0.07ドル/ kWhとなろう。

 太陽光発電のオークションデータは、もっと慎重に扱う必要がある。これは、プロジェクトの分布が最近の容量重視の配備よりも高い照射地点に集中しているためである。たとえそうであっても、利用可能なオークションの結果が正確に2019年または2020年までに、太陽光発電の平均LCOEは0.06ドル/kWh未満に低下し、陸上風力発電のそれをわずかに上回る0.05ドル/kWhに収束する可能性がある。

 最新のオークションおよびプロジェクトレベルのコストデータに基づく太陽光および風力電気料金の2020年の見通しは、世界中に展開できるこれらのモジュラー技術にはまだ見られない最低コストを維持している。

 2019年までに最高の陸上風力および太陽光発電プロジェクトは、LCOE換算で0.03ドル/kWh以下の電力を供給し、CSPおよび洋上風力は2020年から0.06ドルから0.10ドル/kWh(図ES.2)と非常に競争力のある電気を提供することができる。すでに今日、そしてますます将来的に、多くの再生可能な発電プロジェクトは、財政的支援なしに、化石燃料発電を弱める可能性がある。適切な規制および制度的枠組みが整っていることで、競争力はさらに向上するに違いない。

図2. 2010年から22年のCSP、太陽光発電、陸上および洋上風力発電プロジェクトへの平準化された電力コストおよび世界的な加重平均値

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出典:IRENA Renewable Costデータベースとオークションデータベース。
注:それぞれの円は、個々のプロジェクトまたはオークションで単一の清算価格があったオークション結果を表す。円の中心は、Y軸上の各プロジェクトのコストの値。太い線は、年ごとの全体的なLCOE(オークション値)。LCOEデータについては、実質WACCはOECD諸国と中国では7.5%、その他の国では10%である。バンドは、化石燃料発電コストの範囲を表している。

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 再生可能エネルギー全体からの電力コストの削減と、最高位の太陽光発電と陸上風力発電プロジェクトによる低コストは、異なる発電オプションの競争力の現実的なパラダイムシフトを表している。太陽光および風力発電は、すべての付随する経済的利益を伴い、非常に手頃な価格の電気を提供する。さらに、その低コストは、以前の電力部門の不経済戦略が利益を上げる可能性があることを意味する。かつては再生可能エネルギーへの経済的負担を削減することは考えられなかったのに対し、合理的な経済的決定が可能となり、再生可能な変化の可能性を最大限に高め、システム全体のコストを最小限に抑えることができた。

 同様に、優れた太陽光および風力資源を有する地域の非常に低い価格は、「パワーX」技術(例えば、水素またはアンモニア、または他のエネルギー密度の高い貯蔵可能な媒体への電力)の経済的可能性を広げる可能性がある。
同時に、低価格は蓄電の経済性をより有利にする。これは、電気自動車(EV)の潜在的な欠点、すなわち高い瞬間的な電力需要(すなわち、再充電のための)を、資産に変える可能性がある。効果的には、EVは安価な再生可能電力を利用できるときに有利となり、潜在的に電力を必要に応じてグリッドに送電する可能性がある。

 しかし、これには変動性の再生可能エネルギーの統合コストの増加と、非常に高いレベルの変動性ある再生可能エネルギー(VRE)を持つシステムの管理に必要な柔軟性の向上、とのバランスを取る必要がある。これまでのところ、これらの統合費用は控えめなままであったが、VREの非常に高い株式に達すると(特にIRENA、2017、IRENAのコストと競争力指標:Rooftop Solar PVを参照)、電力部門全体の補完的な政策はなかった。例えば、送信の拡大がペースに追いつかない場合、展開可能な再生可能な電源は削減に直面する可能性がある。

 CSP、太陽光発電、陸上および洋上風力発電(両方とも最近および予想される)の急激なコスト削減は、顕著なデフレ率を表している。

 従来の知恵は、太陽光や風力発電技術のコスト削減率を見積もる際のガイドとならなかった。技術の向上、製造業の工業化、規模の経済性、製造効率、開発者によるプロセスの革新、そして適切な規制と政策の設定で予想以上に速くコストを継続的に削減するサプライチェーンにおける競争は、過小評価されている。

 2010年から2017年にかけて発生し、競売データから2020年に伝えられた電力コストの低下は、図3の累積設備容量に対して、4つの主な太陽光および風力技術についてプロットされている。ログ-ログスケールは、学習曲線としての解釈を容易にするために使われる。洋上風力発電の学習率(世界の累積設置容量における倍増ごとのLCOE削減率)は、2010-2020年の間に14%に達する可能性があり、この期間にわたる新しい容量の追加は2020年末までに導入される累積洋上風力発電容量の90%となる。*5

 陸上風力発電については、2010年から2020年の学習率は21%に達する可能性があり、この期間に新たに追加された容量は、2020年末の累積設置容量の推定75%をカバーする。CSPの推定学習率は30%と高く、2010年から2020年の導入はその期間の累積設置容量の89%に相当する。*62010年から2020年の間に太陽光発電の推定学習率は35%と最も高く、このタイムスケールを超える新しい容量の追加は、結論では累積容量の94%と見積もられている。
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*5. CSPの世界累計設置容量は2020年までに12GWになると予測されているのに対し、洋上風力発電31GW、太陽光650GW、陸上風力発電712GWとされる。これはIRENA、2017; GWEC、2017、風力ヨーロッパ、2017、SPE、2017およびMAKEコンサルティング、2017に基づいている。
*6. ドバイ電力・水道局プロジェクトの委託計画を考慮に入れて水平線を2022年まで延長すると、総配備価値に対する不確実性は増すが、ほとんどのシナリオでは実質的に学習率は変化しない。

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図3.  2010年-2020年のCSP、太陽光発電、陸上および洋上風力発電による、世界全体の加重平均化費用の学習曲線

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出典: IRENA Renewable Cost Database; IRENA Auctions Database;GWEC, 2017; WindEurope, 2017; MAKE Consulting, 2017;and SPE, 2017.
注: それぞれの円は個々のプロジェクトを表しているか、場合によってはオークションで単一の清算価格があったオークション結果を表す。円の中心は、Y軸上の各プロジェクトのコストの値。太い線は、全世界の加重平均LCOEまたは年ごとのオークション値。LCOEデータについては、実質WACCはOECD諸国と中国では7.5%、その他の国では10%である。バンドは、化石燃料発電コストの範囲を表している。

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 陸上風力発電は、利用可能なコストデータとして最長の履歴を持つ技術の1つである。IRENA Renewable Cost Databaseのデータによれば、この供給源からの電力コストの学習率は、1983-2016年に推定された学習率よりも2010-2020年の方が高いことが示されている。これは、LCOE計算に使用されるよりも、オークション結果からのWACCがより低いことに起因する可能性がある。しかし、これはすべての違いを説明するものではほとんどない。したがってデータは、少なくとも陸上風力発電の学習率が、長期平均よりも現在は高いことを示唆する傾向がある。

 組み立て式で規模可変な性質の太陽光および風力発電技術、およびプロジェクト開発プロセスの複製可能性は、継続的なコスト削減を伴った安定したサポートポリシーに恩恵を与える。これにより、すでに陸上風力発電と太陽光発電については、新発電容量なる高い競争力あるオプションが作られた。オークションの結果は、CSPと洋上風力発電は同様の経路に従うべきであることを示唆している。同等のプロセスが蓄電にも行われている。意思決定者は、再生可能な電力技術が組み立て式、規模可変、複製可能であれば、工業化と新しい市場の開拓により、適切な規制および
政策環境において、安定したコスト削減が実現すると確信することができる。

 設置された総コストの削減は、太陽光および風力発電技術のLCOEの低下を促進しているが、さまざまな程度がある。それらは太陽光発電、CSP、陸上風力発電で最も重要であった。

 太陽光発電モジュールの価格低下に伴い、実用規模の太陽光発電プロジェクトの導入コストは、2010年から2017年にかけて68%減少し、その技術のLCOEはその期間に73%減少した。新たに委託されたCSPプロジェクトの総設置費は、2010年〜2017年に27%減少し、全体で33%のLCOE削減を達成した。新たに委託された陸上風力発電プロジェクトの設置費用は20%減少し、LCOEが22%減少した。洋上風力発電の場合、総設置コストは2%減少し、13%同期間においてLCOEが削減された。

図4. 2010年〜2017年のCSP、太陽光発電、陸上および洋上風力発電における、総加重平均設置費用およびプロジェクト百分位数範囲

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出典: IRENA Renewable Cost Database
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   略語の説明

ACP; Alternative Compliance Payment
BoS; Balance of Systems             太陽光発電の周辺装置システム
CAD; Canadian dollar
CARICOM; Caribbean Community
CCS; carbon capture and storage          炭素収集と貯蔵
CEER; Council of European Energy Regulators
CfD; Contract for Difference
CSP; concentrating solar power          集光型太陽光発電
DNI; Direct normal irradiance           直達日射量
EC; European Council
ECOWAS; Economic Community of West African States
EJ; exajoule                  1 exajoule = 10の18乗joules
EU; European Union
EUR; euro
FIT; feed-in tariff                固定価格買い取り制度
EV; Electric Vehicle               電気自動車
GBP; British pound
GDP; gross domestic product
GSR; Global Status Report
GW; gigawatt
GWh; gigawatt-hour
GWth; gigawatt-thermal
ILUC; indirect land-use change
INR; Indian rupee
IPP; independent power producer          独立した電力生産者
IRENA; International Renewable Energy Agency
IRP; integrated resource plan           統合された資源計画
kW; kilowatt
kWh; kilowatt-hour
LCOE; Levelized Cost of Electricity        均等化発電原価
LSE; load-serving entities     PJM区域内で最終需要家に電力供給を行う事業者
MDG; Millennium Development Goal         ミレニウム開発目標
MEMEE; Ministry of Energy, Mines, Water and Environment (Morocco)
MENA; Middle East and North Africa
Mtoe; million tonnes of oil equivalent
MW; megawatt
MWh megawatt-hour
NDRC; National Development and Reform Commission
NREL; National Renewable Energy Laboratory (US)
OECD; Organisation of Economic Cooperation and Development
PPA; Power Purchase Agreement           電力販売契約
PV; photovoltaics                 太陽光発電
SDG; Sustainable Development Goal         持続可能な開発目標
TWh; terawatt-hour
VRE; Variable Renewable Electricity      再生可能エネルギーのような変動電源
WACC; Weighted Average Cost of Capital       加重平均資本コスト

以上

『トムソン・ロイターズ 世界的エネルギー先導企業100社』 ~主として、再生可能エネルギー部門についてリスト表示~

『トムソン・ロイターズ 世界的エネルギー先導企業100社』
~主として、再生可能エネルギー部門についてリスト表示*~
https://www.thomsonreuters.com/en/products-services/energy/top-100.html

* 管理者の判断による。

エネルギー分野における世界のリーダーシップの再定義

 今日のエネルギー環境で成功するには、多国籍企業は、適切な市場の特定、成長に必要な基盤施設への投資、正確な需給の予測など、ビジネスを実行するための基礎を身に付けるだけではない。かれらはまた、法律、規制、運用、環境、供給系統、技術的な変数の相互に関連する継ぎ接ぎ作業を管理して、戦略的なビジネス成長のための最適な計画を立てるか、破棄する権限を持っている必要がある。

 これらのリスクを管理することは、成長を奪い、新しい市場を征服するような大胆な賭けを続けながら、エネルギー部門のリーダーシップたる現代の公式なのだ。

 それには誰が最善か。

 これを知るためにトムソン・ロイターは、供給系統のリスク管理、係属中の訴訟、技術革新、環境統治の実績を取り入れて、今日のエネルギーリーダーの現実の業績を把握する評価枠組みを提供している。

 Thomson Reuters Top 100 Global Energy Leadersの結果リストと、4つのエネルギー副部門にまたがるトップ25の成就社の寸描が、重要なビジネス成功指標のスコアカードを通じて提供されている世界中の企業を紹介している。

 トムソン・ロイターがこの特許出願中の評価方法を提供するには、規制と商業の交差点と言う、この複雑なビジネスエコシステムの岐路に立つ我らが立ち位置のおかげで、唯一適している。財務およびリスク、法律、税務、会計およびメディア市場からのデータ、分析および洞察を引き出し、我々はビジネス環境全体をうまく誘導するビジネス能力を評価する独自の客観的な方法論を開発することができた。

指導者を支える方法論

 このレポートには、現在のビジネス環境で成功するために必要な、現在の視野を把握する8つのエネルギー企業実績の柱がある。そのリストには、法律、供給系統および経営上のリスクの管理などの問題を特定する収益成長率、営業利益、投資収益率など、基本的なビジネス指標の組み合わせが捉えられている。また、特許活動を、技術革新、ニュース感覚、環境・社会的要因の代行者として追跡する。

 これらの柱の各々は、ベイジアン論理を用いて統計的モデルで評価され、慎重な変数間の確率的関係を決定し、エネルギー会社の成功指数のすべての不可欠部分を捕捉する。

== エネルギー企業実績8っつの柱 ==

< 財務実績 > #1
会社はどのように財務的に活動しているか?
それはどれくらい利益があるか?

< マネジメントと投資家の自信 >  #2
会社はどれくらいうまく走っているか?
投資家はどれくらい自信を持っているか?

< 革新 >   #3
どのように革新的な会社か?
R&Dにどれくらい投資しているか?
また、特許権が付与された発明を保護しているか?

< 法令順守 > #4
組織はどの程度の訴訟に関与しているか?
会社は契約や規制義務を果たしているか?

< 環境への影響 > #5
環境への影響を低減する会社の能力は何か?
環境資源への外部への影響はなにか?

< 人的および社会的責任 >   #6
会社は従業員をどの程度うまく扱っているか?
会社はどのように社会的責任を果たしているか?
契約を結んでいる当事者に与える影響は何か?

< 評判 >   #7

公共の組織はどれほど評価されているか?
会社に関連する全体的なニュース感情は何か?

< リスクと耐性 >   #8
どのように運用上安定しており、ショックや混乱に耐えることができるか?
何人の顧客とサプライヤーがそれを持っているか?
それはどの国で運営されているか?

diagram 1:企業ランキングの体系的な方法

リスト作成

 今日の複雑なビジネス環境では、成功とリーダーシップは単なる財務実績以上のものを必要とする。組織は強みを示すために十分な収入を生み出す必要があるだけでなく、投資家に自信を持たせ、供給系統や供給者のリスクから守り、訴訟の絶え間ない脅威に対抗し、革新を続け、市場における積極的なイメージ、そして環境、社会、統治の責任に関連する中核的価値を具体化している。

 21世紀のリーダーシップを決めるのは、このユニークな要素の組み合わせである。総合的な投資戦略が様々な構成要素間の関係に基づいて分散投資を評価するのと同様に、今日の市場におけるリーダーシップの公式には、組織全体の全体像が必要である。

 このため、この規模のビジネスに直面している多数の現実的な変数に対して企業実績を評価するために、この独自の新しいTop 100 Global Energy Leaders手法を開発した。

トップ100に入る

 トップ100のグローバルエネルギーリーダープログラムで評価された全世界のエネルギー企業は、石油・ガス、石油・ガス関連機器・サービス、多系統施設、再生可能エネルギー、ウラン副部門において、年間5億ドルの収益を上げている組織で構成されている。

 全体のトップ100の成就社は既に説明されているように、8つの柱の評価票全体で最高の総合成績を持ち、これらの副部門の企業を代表している。幅広いイベントで一貫して実践しなければならない十種競技の選手によく似ているが、トップ100のリストに選ばれた企業は、現代世界のビジネス上の課題に対応する、全体論的アプローチを取ることでリーダーシップを実証している。彼らはすべてのイベントで最高の累積成績を達成した実績社だが、必ずしもすべてではない。

 トップ100の実績社に加えて、石油・ガス、石油・ガス関連機器・サービス、多系統施設、再生可能エネルギーの4業界部門での、各上位25の成就社も選んだ。

 分析を各部門にさらに深く展開することにより、全体的にトップ100の世界を支配する、多くのエネルギー巨人の規模を持っていないかもしれない中小企業に注目すると、複雑性を管理するための高度に洗練されたアプローチとなる。この現象は、石油・ガス部門に比べて小規模で若い企業で構成されている再生可能エネルギー分野の部門では最も顕著であるが、それぞれの分野で輝く星があり、時には相反する今日のエネルギー事業に対応する需要のバランスを際立たせる驚異的な強さを示している。

 難しい話はさておき、Thomson Reuters 2017 Top 100 Global Energy LeadersとThomson Reuters Top 25 石油・ガス、石油・ガス関連機器・サービス、多系統施設、再生可能エネルギー部門の受賞者をリストアップする。
[注:以下では再生可能エネルギー部門だけを取り上げる。]

— 再生可能エネルギー —

組織/URL                   国    主事業分野
———————————————————————————————
Canadian Solar Inc.            Canada  太陽光発電
  https://www.canadiansolar.com/
CropEnergies                Germany  バイオエタノール
  http://www.cropenergies.com/
First Solar                 USA     太陽光発電
  http://www.firstsolar.com/
GCL-Poly Energy Holdings Ltd.       Hong Kong 太陽光発電
  http://www.gcl-poly.com.hk/
Global Pvq SE i I              Germany
  http://www.pvqse.de/
Green Plains Inc.              USA    バイオエタノール
  http://www.gpreinc.com/
Guodian Technology &          China  石炭火力設備・再エネ設備
 Environment Group Corp Ltd.
  http://www.01296.hk/
Hanergy Thin Film Power Group Ltd.     Hong Kong 太陽光発電
  http://www.hanergythinfilmpower.com/
Inox Wind                 India   風力発電
  https://www.inoxwind.com/
Jiangsu Akcome Science &         China    
 Technology Co., Ltd.
  http://www.akome.com/
Motech Industries Inc.           Taiwan   太陽光発電
  http://www.motechsolar.com/
Pacific Ethanol              USA    バイオエタノール
  http://www.pacificethanol.net/
Renewable Energy Group Inc.        USA    バイオ燃料
  http://www.regi.com/
Risen Energy Co., Ltd.           China   太陽光発電
  http://www.risenenergy.com/
Shanghai Aerospace Automobile       China    太陽光発電
  http://www.ht-saae.com/
Siemens Gamesa Renewable Energy    Spain   風力発電
  http://www.gamesacorp.com/
SolarWorld Industries           Germany  太陽光発電
  http://www.solarworld.de/
SunEdison                 USA
  http://www.sunedison.com/
Sungrow                  China   太陽光発電・蓄電池
  http://en.sungrowpower.com/
SunPower Corp               USA    太陽光発電
  https://us.sunpower.com/
Suzlon Energy Ltd.             India   風力発電
  http://www.suzlon.com/
TPI Composites               USA    風力発電
  http://www.tpicomposites.com/English/home/default.aspx
VERBIO Vereinigte BioEnergie        Germany  バイオエネルギー
  http://www.verbio.com/
Vestas                   Denmark  風力発電
  https://www.vestas.com/
Xiangtan Electric Manufacturing Co., Ltd.  China  風力発電・太陽熱発電
  http://www.xemc.com.cn/

================== 参考資料 ================

事例研究

 トムソン・ロイターは、企業の経営幹部、政府関係者、科学界などと日々業務を行っており、今日のビジネス環境における持続性の重要性と、ビジネスモデルへの持続性構築のメリットを認識している。

 環境影響はトップ100のグローバルエネルギーリーダーの方法論の8つの柱の1つだが、リストに掲載されている企業は、それに関連する様々なレベルの成功と持続可能性を実証している。

 トムソン・ロイターは、炭素集約型企業の気候と持続可能性のリーダーシップを強調するために、持続可能性を組織に統合するビジネスケースの拡大を示す、毎年の温室効果ガス(GHG)グローバル250レポートを別途実施している。これは、炭素削減のスペクトル全体にわたり、持続可能性と環境に関するリーダーシップを示す企業を特定する。これらの企業には、トップ100のグローバルエネルギーリーダーのリストに加え、世界で最も炭素集約的な組織の一部が含まれている。1つのそのような例は、トムソン・ロイターのGHGグローバル250報告書の抜粋で、ここに紹介されている”トータル・グループ”である。

— 背景 —

 非国家主体、特に民間部門では、今後数十年にわたり気候変動への対応やGHG排出削減に重大な役割を果たすだろう。実際、グローバル250レポートで参照されている250社*1 は、そのバリューチェーンとともに、世界の年間排出量の約3分の1を占めている。*2 何年もの間、多くの大規模な組織の経営陣は、気候変動が事業活動と将来展望に与える将来の制約を認識している。多くの企業が低炭素の未来に向かって戦略的な移行を延期しているが、他の企業は持続可能な成長と競争上の優位性をもたらす革新の歴史的な機会である新しいビジネスロジックを認識している。

 良いニュースは、Total 250、Ingersoll Rand、Toyota、Iberdrola、Xcel Energyのようないくつかの企業が、ビジネスモデルの多様化と脱炭素化を進めていることだ。10年以上前に開始された彼らの計画は、好調な業績をもたらし、2050年以降にも及ぶ低炭素の将来的な収益につながる道を提供している。グローバル250を見ると、脱炭素化された経済に向けてリーダーシップを示す企業が戦略的な利点を得るという証拠が蓄積されている。

トータルグループの事例研究 *3

 フランスのTotal S.A.(Total)*4 は、世界で4番目に大きな石油ガス会社である。同社は、主要な排出者のリストに置く温室効果ガスの排出を担当している。しかし、トータル社は、将来の新しいクリーンエネルギービジョンのための主要な化石燃料会社のリーダーとして広く認められている、そしてその未来のために、大規模で複雑なビジネスを適応させる進歩などがある。

 戦略主導のビジネス変換の複雑なプロセスを理解するには、長期的に行動を成果に結びつけるためのフレームワークが必要である。GHG Global 250に提示されたモデルは、「気候影響管理成熟度曲線」に沿って移行する企業の進捗状況を評価するために、以前の研究(Lubin&Esty、The Sustainability Imperative、HBR、2010)から採用されている。トータルの気候関連の取り組みは、主要なエネルギー会社の気候変動が直面している挑戦とそれに対処する必要性を最初に認識して、20年以上前から追跡することができる。
——————————
*1)トムソン・ロイターとCDPは、排出量を報告している企業の最新データと、排出量を報告していないか、または不完全に排出量を報告している企業の最新の見積もりをまとめるために、この報告書と協力している。スコープ3排出量の見積りが不十分なため、金融部門は除外された。
*2)これは、約52ギガトンCO2eの土地利用を含む人為的な総排出量に対して測定される。この数値には、60%の二重計数のために調整された直接的、間接的、およびバリューチェーン排出量(スコープ1,2,3)が含まれる。
*3)これは、完全なグローバル250レポートに表示されるように、ケーススタディの要約版である。
*4)このレポートで新興のリーダーシップの例の中で、トータル・グループは、最も炭素集約型の企業であっても、変革的なビジネスモデルの変化の機会を持つ根底にある論文を表している。

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— 第1段階:初期の取り組み — 2006年にトータル社は地球規模のリスクとしての気候変動の重要性を公に認める、最初の主要な化石燃料会社の1つであった。初期の取り組みは、フレアリングガスの排出を大幅に削減するための費用対効果の高いアプローチの実施に重点を置いていた。

— 第2段階:体系的な管理 — 2008年までに、トータル社は、他の大手石油会社がGHGおよび気候関連の業績評価指標(製品使用を含む)を体系的に報告し、同社の事業規模を改善するための目標を設定した。

— 第3段階:コアの変換 — 2009年には、EcoSolutions、低炭素製品およびサービス・ポートフォリオを開始した。SunPower(ソーラー)、Saft(バッテリー設計)、Stem(エネルギー最適化)、BHC Energy(運用エネルギー効率)を含む一連の投資により、トータル社は収益ベースを持続可能エネルギー・ソリューションにシフトさせることを約束した。

— 段階4にアプローチ:競合他社との差別化を創出 —
 トータル社の会長兼CEOであるPatrick Pouyanne氏のリーダーシップのもと、2014年には同社は他の石油会社と差別化するための戦略を明確に述べた。
今後、トータル社は3つの戦略的柱で将来のビジネスを構築していく:
1.化石燃料混合物の炭素強度を低減する;
2.炭素捕捉、利用および貯蔵技術に慎重に投資する:そして
3.クリーン・エネルギーとバイオ燃料の生産、貯蔵、配分を含む
「再生可能エネルギー」における事業基盤の拡大。

 トータル社は2015年に石炭事業を終了した。トータル社の2016年の再編は、再生可能エネルギーと低炭素エネルギー・ソリューションに重点を置いており、IPCC*5 の2℃目標に沿った政策支援と目標を設定している。

 トータル社がエネルギー部門における競争上の優位性の潜在的可能性を十分に発揮するためには、2度Cの境界に沿って実行可能な脱炭素化経路を引き続き示す必要がある。これにより、進化した戦略的な気候のために、未利用になる可能性のある石油備蓄や石油備蓄の潜在的な課題に対処するため、石油会社間のEcoSolutionsポートフォリオの収益とリーダーシップの急速な成長が求められる。

 = GHGへの影響の低減 =
 総計は、IPCCのガイダンスよりもずっと前の3年間で排出量を削減しており、すべてのスコープで総GHG排出量の約20%(約1億3,000万トン)が削減されている。*6 そして排出量は減少したものの、トータル社の炭素強度は、2013年から2016年にかけてGHG / BOE(温室効果ガス排出量/原油換算量)の年間平均減少率9.2%、2013年の基準年から27.5%減っている。*7 総排出量とそのフットプリントのGHG強度の両方が著しく低下している。

 = 財務成果:資本コストの削減 =
 Fig.1は、トータル社の戦略とそれを実行する能力がすでに企業の価値を生み出しているという証拠を示している。トムソン・ロイター・エイコンのプラットフォームには、ピア・プロット図の青い点で表される、トータル社のピア・トップ・クレジット・レーティングが表示される。これは、資本集約的なエネルギー分野において大きな利点である。トータル社は、再生可能な炭素と低炭素のソリューションで気候の影響を拡大し続けているため、その変革されたグリーン製品ポートフォリオの価値の高まりは、従来の高炭素製品の潜在的な価値の低下を大幅に上回る可能性がある。

Fig.1 [トータル社のクレジット・レイティング(2017年)]

 変化する気候が市場や生態系をどのように混乱させているかについての質問への回答は、GHG Global 250 eport、New Business Logicを参照のこと:
1. GHGグローバル250の排出量は、過去3年間でどのように増加しているか?
2.脱炭素化が、財務実績やプレミアムに支障をきたすという証拠はあるか?
3.これらの排出者が直面している長期的な転換の課題を考えれば、企業の進捗状況をどのように評価し、リーダーシップを定義することができるか?
4.ポスト炭素経済において、政策と投資家のリーダーシップはどのように進展しているか?
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5) http://www.ipcc.ch/
6) 完成したCDP気候変動情報要求提出物による。
7) http://www.annualreports.com/HostedData/AnnualReportArchive/t/NYSE_TOT_2015.pdf

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以上

日本:再生可能エネルギーによる、より大きなエネルギー安全保障 ~原子力経済後の電力転換

[出典:The Institute for Energy Economics and Financial Analysis(IEEFA) Report
“Japan: Greater Energy Security Through Renewables”
~Electricity Transformation in a Post-Nuclear Economy
http://ieefa.org/wp-content/uploads/2017/03/Japan_-Greater-Energy-Security-Through-Renewables-_March-2017.pdf

March 2017
Tim Buckley, Director of Energy Finance Studies, Australasia and
Simon Nicholas, Energy Finance Analyst ]

<< Executive Summary >>

 このレポートは、日本の電力システムが直面しているリスクと課題が、再生可能エネルギーへの投資を通じてどのように改善され、かつエネルギー安全保障を構築し、輸入化石燃料と原子力発電への長期的依存性を減少させるかを概説している。

 評価の基本は、エネルギー効率の上昇が過去6年間の日本の電力需要を押し下げており、今後もそうすることができるということである。この重要な要因の肯定的な影響は、しばしば控えめに及ぼされる。

 日本のエネルギー効率は、再生可能エネルギーの拡大を支えている。日本の電力部門に関する我々のモデルでは、電気自動車の可能性が高いにもかかわらず、需要の落ち込みが、再生可能エネルギーへの投資の理想的なシナリオを作り出すことを示している。

 東京電力の福島原発事故の6年後、日本はエネルギー政策の転換期に入っている。その課題は、経済成長の低迷、人口の減少、電力需要の減少(2010年のピーク時に比べて11.5%減)などである。

 2011年以降、原子力発電なるベースロードを化石燃料ベースロードに置き換えることを奨励する政策はコスト高であることが判明し、結果として、ますます利用可能なコストを急速に下げられる技術的利益見通しのある再生可能エネルギーの開発機会が失われた。

 日本のエネルギー転換について問われるのは、経済を超越する問題である。確かに日本のエネルギー安全保障は依然としてリスクがある。福島事故以前には、原子力が原子力発電の長期的な生産に重要な役割を果たすことを確保するために、日本は十分な核燃料を持っていた。福島の原子炉の閉鎖以来、この国は化石燃料の輸入に深く頼ることとなった。これは、貿易収支の30年分の貿易黒字から、2014年には1,160億ドルに達する赤字への逆転に寄与することになる。

 日本は、パリの気候変動に関する合意を約束し、発電ミクスにおける再生可能エネルギーのシェアを増加させることにより、これからの長い道のりを辿ることができる。それには強い政策指導力が必須となる。

== 主な所見 ==
1. エネルギー生産性の向上は、2010年の1,140TWhから2030年には868TWhへと電力需要を減少させる。
 日本の人口減少が経済成長を制限し、世界をリードするエネルギー効率がさらに高いエネルギー生産性向上を推進しているため、過去6年間と同じように、電力需要は少なくとも2030年まで減少すると見られる。2010年度の発電量は1,140TWhであったが、2015年度には11.5%減少して1,009TWhになった。IEEFAは毎年2%の生産性向上を見込み、2030年までに発電量は868TWhまで減少するとみる。

2. 日本が電力業界を再構築する中で、2030年までに太陽光発電は日本の発電ミクスの12%を占めることができる。
 総発電量が減少するにつれて、太陽光発電は現在の4%から、2030年には日本の電力ミクスの12%を占める可能性がある。日本は2013年から2015年の間に、太陽光発電の世界第2位の導入国となった。しかし、この拡張を支持する寛大な援助関税が終了すると、太陽光発電の成長を永続させるためには、日本政府の新たな政策支援が必要となるだろう。
 最近の大規模太陽光の逆オークションへの動きは、現在世界中で達成されているような太陽光発電コストの大幅な削減を、日本でも実現できることを示している。もし導入されれば、屋上のソーラーと継続的な市場改革に焦点を当てる政策は日本の再生可能エネルギーの範囲を広げ、一方、大きな水力発電容量と地域間のグリッド接続性の向上は太陽光発電を増加した地域のグリッドに統合するのに役立つ。

3. 日本の洋上風力発電は膨大な可能性を秘めており、ベースロード電力需要に貢献する可能性がある。
 限られた適切な土地のための日本の長い承認プロセスのために陸上風力の開発は遅いが、洋上風力開発には重要かつ見過ごされた機会が存在する。実際に、洋上風力発電は日本の長期エネルギー計画で大きく逃した巨大な可能性を秘めている。日本には世界で最も優れた製造業がある。これはおそらく最高である。いくつかの日本企業はこのフロントで行動し始めて居る。三菱重工業は現在、洋上風力技術の研究開発を行っており、MHI Vestas Offshore Windとのジョイントベンチャーを通じて、オフショアタービンを供給している。
 中国と米国は、この主要で未使用の資源を積極的に活用しようとしている。土地制約問題がないと言うオフショア風力固有の特徴は、45%から50%の稼働率と同様に有利に機能し、ベースロード電力に寄与できることを示している。IEEFAは、日本の洋上風力は2030年度までに10GW電力容量に達すると見なしている。この時期にヨーロッパと中国は、それぞれ100GWのオフショア生産能力に達することができるだろう。

4. 日本は、2030年までに電力需要の35%を再生可能エネルギーで満たす立場にある。
 太陽光発電と洋上風力発電容量を増やし、生産工場の電力需要を減少させる強力な推進政策を考慮すれば、日本の総再生可能エネルギーシェアは2030年には発電量の35%に倍増するだろう。IEEFAのモデルには水力とバイオマスが含まれ、COP21の約束を果たす日本政府に依存している。
 日本が国の再生可能エネルギープログラムを支援するために資本市場を活用できるよう変化を起こすには、再生可能エネルギープロジェクトへの規制やグリッド障壁が大幅に低下することが必要となる。政府が再生可能エネルギーとエネルギー効率のために70億ユーロのグリーンボンド・イニシアチブを開始したフランスでは、同様の進歩が最近行われた。これが日本で起こった場合、再生可能エネルギー総量が2010年度末に100GW、2030年に159GWに達し、2010年の発電量のほぼ3倍に達するとIEEFAは見積もっている。

5. 福島原発事故後の日本の原子力産業は、おそらく回復しないだろう。
 IEEFAは、日本の40GWのオフライン原子力発電容量のうち、2030年までに稼動開始するのは4分の1に過ぎないと見ている。それまでの原子力発電の総発電量はわずか8%であり、政府目標の20-22%には到底達さない。日本は発電ミクスの多様化とエネルギー安全保障の向上のために原子力発電を再開しようとしているが、経済的に苦労している事業者は、原子炉が寿命に達する前に新たな安全基準を満たさねばならないと言う逆風に晒される。

6. 日本は、新しい石炭火力発電所の建設計画を大幅に縮小する可能性が高い。
 日本が提案している45の新しい石炭火力発電所のほとんどは計画段階にあり、日本の電力需要減少のために多くは建設段階に達しないであろう。提案された石炭火力発電所群の拡張が、実際に全容量を追加するか、単に既存の熱容量を置き換えるかどうかはとにかく不明であり、このプロジェクトの勢いは消えつつある。日本の大手電力会社(EPCO)は最近、石炭発電計画の見直しを開始した。関西電力は、電力需要の減少を受けて2017年1月、石炭火力発電から石炭火力発電に切り替えるプログラムを停止すると発表した。

 2030年に正味熱容量が拡大しないと仮定しても、電力需要の減少と再生可能容量の増加は、そのような能力の稼働率を低下させるであろう。IEEFAは、2030年までに日本の火力発電量が2015年比で40%減少すると見ている。

 同じような傾向は中国とインドでもしばしば見られ、熱需要と再生可能エネルギーの両方を同時に導入することで、これらの国の電気需要が増えつつあるにもかかわらず、2016年に石炭火力発電所の稼働率がそれぞれ47%と56%に低下するとの見通しを立てている。

 IEEFAはオフラインの原子炉の4分の1だけが復旧すると予想している。万一、日本の原子力再稼働がこのレベルを超えた場合、その結果は熱発電利用率をさらに下げる圧力になる。

 電力転換が進むに伴い、スマートで国家的に接続されたグリッドへの投資に向けた世界的な動向から、再生可能エネルギーとエネルギー効率が益々頼りになることを日本は学ぶことができる。
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[管理者脚注:(IEEFAのホームページから)
 エネルギー経済金融研究所(IEEFA)は、エネルギーと環境に関連する財務および経済問題に関する調査と分析を行っている。この研究所の使命は、多様で持続可能で収益性の高いエネルギー経済への移行を加速することである。

IEEFAは、次の慈善団体からの資金援助を受けている。
the Rockefeller Family Fund, Energy Foundation, Mertz-Gilmore Foundation, Moxie Foundation, William and Flora Hewlett Foundation, Rockefeller Brothers Fund, Growald Family Fund, Flora Family Fund, and Wallace Global Fund,]
                                     以上